お菓子の利益率はどれくらい必要?原価率・粗利・手元に残るお金の考え方
お菓子販売を始めると、
「利益率はどれくらい必要ですか?」
「原価率は何割くらいが良いですか?」
「よく原価3割って聞くけれど、本当ですか?」
という疑問が出てくると思います。
実のところ、原価率は3割でなければならない理由はありません。
お菓子の種類、販売方法、包装、送料、出店料、委託料などによって、手元に残るお金は変わります。
大切なのは、ただ「原価率を何%にするか」ではなく、
- その価格で続けられるか。
- 次の材料を買えるか。
- 自分の人件費が残るか。
- 販売を重ねても苦しくならないか。
を見ていくことです。
この記事では、お菓子販売の利益率・原価率・粗利・手元に残るお金の考え方を整理していきます。
目次
原価率とは?利益率との違い
お菓子販売のお金を考える時に、よく出てくる言葉が「原価率」と「利益率」です。
原価率とは、販売価格に対して原価がどれくらいの割合を占めているかを見る数字です。
原価150円の商品を400円で販売する場合、
150円 ÷ 400円 = 37.5%
となり、原価率は37.5%です。
一方で、利益率は、販売価格に対して利益がどれくらい残るかを見る数字です。
400円で売って、原価が150円なら、残りは250円です。
250円 ÷ 400円 = 62.5%
この場合、単純計算での利益率は62.5%です。
ただし、ここで注意したいことがあります。
この250円が、すべて自由に使えるお金とは限りません。
実際には、レンタルキッチン代、マルシェ出店料、ネットショップ手数料、送料、梱包資材、自分の作業時間なども関係してきます。
よく言われる「原価3割」は絶対ではない
よく「原価3割」と言われます。
ですが、3割でなければならない理由はありません。
洋菓子店では、
生ケーキは4割
焼き菓子は2割
など、商品ごとにバランスを取っていることがあります。
大切なのは、商品単体ではなく、お店全体で設計することです。
例えば、入口商品として買いやすい価格の商品があっても良いです。
一方で、ギフト商品やセット商品でしっかり利益が残るようにしても良いです。
すべての商品で同じ原価率にしなければならない、というわけではありません。
粗利と「手元に残るお金」は同じではない
ここで、少しだけ言葉を整理します。
粗利とは、ざっくり言うと、売上から商品を作るためにかかった原価を引いて残るお金です。
例えば、
販売価格:400円
食材費・包装資材:150円
なら、
400円 − 150円 = 250円
この250円が、粗利に近い考え方です。
ただし、小さなお菓子屋さんの場合は、この250円がそのまま手元に残るわけではありません。
ここからさらに、
- レンタルキッチン代
- マルシェ出店料
- 駐車場代・交通費
- ネットショップ手数料
- 送料の負担分
- 梱包資材
- 自分の作業時間
などを考える必要があります。
つまり、
粗利があることと、
最終的に手元にお金が残ることは、同じではありません。
「売上がある」ことと、「利益が残っている」ことも同じではありません。
お菓子販売を続けていくためには、売上だけでなく、最終的に手元にいくら残るのかを見ることが大切です。
価格設定は自由、だけど残ったものが自分の人件費
価格は、基本的に自由に決められます。
【いくらでなければならない】ということはなく、【自分がつけたい金額】に設定して良いのです。
ですが現実として、売上から
- 食材費、包装資材などの製造原価
- 家賃、レンタルキッチン代
- マルシェなら出店料、当日の交通費、製造時の交通費
- ネットショップならネットショップの手数料
- 今後将来何かを外注する時のための余力
などを差し引いた残りが、自分の人件費になります。
つまり、価格を安くしすぎると、自分の働いた分がほとんど残らなくなります。
- 試作する時間
- 買い出しに行く時間
- 製造する時間
- ラッピングする時間
- 販売する時間
- 発送する時間
これらはすべて、自分が働いている時間です。
利益は悪者ではありません。
利益があるから、次の材料を買えます。
利益があるから、包装をよくできます。
利益があるから、販売を続けられます。
販売方法によって手元に残るお金は変わる
同じお菓子を同じ価格で販売しても、販売方法によって手元に残るお金は変わります。
マルシェ、ネットショップ、委託販売では、かかる費用や手数料が違うためです。
マルシェ販売の場合
マルシェ販売では、お客様から直接お代金を受け取れます。
ただし、出店料、駐車場代、交通費、什器、POP、紙袋などがかかります。
「商品原価だけを見たら利益が出ている」と思っても、出店料や交通費を入れると、思ったより残らないことがあります。
月1回販売の場合は、マルシェ出店料や駐車場代も、今回の販売にかかった総額として見ておきましょう。
ネットショップ販売の場合
ネットショップ販売では、決済手数料、梱包資材、段ボール、緩衝材、送料なども関係してきます。
送料込みにするのか、送料別にするのか。
冷蔵・冷凍が必要なのか。
箱や緩衝材はいくらかかるのか。
ここまで含めて価格を考える必要があります。
ネットショップ販売は、まだ商品が手元になくても販売できるため、ロスを防ぎやすい販売方法です。
ただし、手数料や発送資材を見落とすと、売れたのに思ったより残らないことがあります。
委託販売の場合
委託販売では、自分のお菓子を他のお店に置いて販売していただきます。
この場合、お客様が支払った金額のすべてが自分の手元に入るわけではありません。
委託先の取り分、つまり委託料がかかります。
委託料とは、委託先が作り手さんの代わりに販売してくださる、その販売手数料のイメージです。
委託料は委託先によりますが、売値の20〜40%である場合が多いです。
例えば、売値が200円のクッキーが1袋売れた場合、
委託料20%なら、200円 × 20% = 40円。
委託料40%なら、200円 × 40% = 80円。
40円または80円が委託料となり、委託先のお財布に入ります。
200円から40円または80円を引いた、160円または120円が、作り手さんのお財布に入ります。
委託販売の場合は、店頭販売やマルシェ販売と同じ価格感覚で決めると、思ったより手元に残らないことがあります。
委託販売では、売値の20〜40%が委託料になる場合が多く、売値200円のクッキーなら委託料20%で40円、40%で80円が委託先に入り、作り手さんの手元に残る金額が変わります。
利益率・原価率は「続けられるか」を見る数字
原価率や利益率は、「正解の数字」を探すためだけのものではありません。
- その価格で続けられるか
- 次の材料を買えるか
- 自分の人件費が残るか
- 販売を重ねても苦しくならないか
こうしたことを見るための数字です。
商品単体ではなく、お店全体で設計することが大切です。
まとめ|利益率は正解探しではなく、続けるための確認
お菓子販売の利益率や原価率には、絶対の正解があるわけではありません。
よく「原価3割」と言われますが、3割でなければならない理由はありません。
大切なのは、その価格で続けられるかどうかです。
原価がわかると、原価率が見えます。
販売価格が決まると、粗利が見えます。
出店料や送料、手数料、自分の作業時間まで考えると、手元に残るお金が見えてきます。
「売上がある」ことと、「利益が残っている」ことは同じではありません。
お客様に喜んでいただきながら、自分も続けていける価格にすること。
そのために、利益率・原価率・粗利・手元に残るお金を確認していきましょう。
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