OEMとは?製造委託・製造受託という考え方|お菓子作りを「お仕事」にする新しい形
「お菓子を作るのは好きだけれど、販売や集客は少し苦手」
「自分のブランドのお菓子を売りたいけれど、製造する時間や場所が足りない」
そんな時に、選択肢のひとつになるのがOEMです。
お菓子の世界でも、
・自分のレシピで、誰かに作ってもらう
・誰かのブランドのお菓子を、代わりに作る
という両方の形があります。
この記事では、お菓子のOEMとは何か、発注・依頼する側と受託する側の違い、小さなお菓子屋さんが考えたいポイントをまとめます。
OEMとは?
OEMとは、既存の工場さんやお菓子屋さんに、レシピを渡し、食材を渡し、代わりに作ってもらう方法です。
みんな大好き無印良品では、家電やお菓子なども販売しています。
その家電やお菓子を無印良品が作っているかというと、そうではなく、家電メーカーさんやお菓子メーカーさんが作っていることがほとんどです。
だけど、販売する時は「無印の家電です」「無印のお菓子です」という顔で(?)売られています。
ですが、家電は取扱説明書などを見ると作ったメーカーさんのものになっていたりしますし、お菓子など食品の場合は、商品の食品表示の部分に製造所としてお菓子メーカーさんが記載されています。
つまり、作る人と、販売するブランドが分かれている形です。
小ロットで受けてくれるパティシエさんを探す方法もある
自分でお菓子を作るのが難しい時、次の選択肢があります。
- 小ロットから受け付けてくれるパティシエさんを探す
- OEM、製造の委託をする
パティシエさんにお願いする場合も、許可付き厨房を持っていないパティシエさんだと、レンタルキッチン代が発生する場合が多いです。
そのため、自分で許可付き厨房を持っている方にお願いする方が現実的かなと思います。
お菓子を販売用に作る場合は、菓子製造業許可など、必要な許可のある場所で製造することが大前提です。
誰にお願いするかだけでなく、どこで作るのかも確認しておきましょう。
OEMのメリット
OEMのメリットは、売れる見込みがあれば、自分で作るより安く、安定して作ることができる点です。
また、お菓子だけでなく、清涼飲料水や瓶詰め、缶詰など、自分で許可を取ることが難しい内容でも作ることができます。
自分だけでは作れない商品を、専門の工場や製造者さんと組むことで形にできるのがOEMの良いところです。
OEMのデメリット
一方で、OEMにはデメリットもあります。
大きなデメリットは、ある程度のロットが必要になることです。
100個、1,000個など、まとまった数量からでないと受け付けてもらえないことがあります。
少数でも受け付けてくれるかもしれませんが、その場合は割高になります。
また、発注する側は、在庫リスクや売れ残りリスクを抱えることになります。
OEMには「発注・依頼する側」と「受託する側」がある
OEMには、大きく分けて2つの立場があります。
- お菓子の製造を発注・依頼する側
- お菓子の製造を受託する側
小さなお菓子屋さんは、受託する側になることも多いです。
一方で、お菓子教室の先生をしていて、お菓子の販売も考える場合は、発注・依頼する側に立つこともあります。
自分がどちらの立場になるのかによって、考えることが変わります。
発注・依頼する側の考え方
発注・依頼する側は、自分のレシピで製造をしてもらう側です。
レシピの提供だけでなく、
・食材
・包装資材
などを提供する場合もあります。
発注者側が在庫リスク、売れ残りリスクを抱えるため、できるだけ少ないロット、少ない金額で依頼したいと考えています。
ただし、ロットが少なくても、1個あたりの単価が高くなると利益を出すことが難しくなります。
また、受託者側の都合で、発注者側が希望する食材や作り方では難しい場合もあります。
「自分のレシピをそのまま作ってもらえる」と思いすぎず、相手の設備や工程でできることを相談していく必要があります。
受託する側の考え方
受託する側は、お菓子の製造を代わりに行う側です。
小さなお菓子屋さんにとっては、売れるか分からない自分のブランドのお菓子だけでなく、手堅く売上を作る方法のひとつです。
ただし、製造者としてラベルに記載されるとしても、自分のお店の商品として売り出すわけではありません。
発注者側のブランドの商品、という位置付けになるため、自分のお店の名前が広まるわけではない、というジレンマがあります。
お菓子によっては、一度の製造で10個できたりします。
そのため、1個だけの発注や、3つ4つだけの発注は難しいと感じることがあります。
受託する側としては、「〇個以上なら受けられる」というロットがある場合が多いです。
これは、少ない数だと作れないというよりも、材料の準備、製造時間、片付け、ラベルや包装、やり取りなどを考えると、少量すぎると仕事として成立しにくいからです。
- 何個以上なら受けられるのか
- どの商品なら受託できるのか
- どこまで相手のレシピや材料に対応できるのか
- 包装資材は誰が用意するのか
- 納品方法はどうするのか
- 自分のブランド名が出ない仕事として受けられるのか
OEMと委託販売の違い
OEMと委託販売は、言葉が少し似ていますが、中身は違います。
- 委託販売:自分のお菓子を他店で売っていただくこと。
- OEM:相手のブランドの商品を代わりに作ること。
委託販売では、飲食店さん、雑貨屋さん、美容院さんなどに、自分のお菓子を置いて販売していただきます。
一方、OEMの受託側は、相手のブランドのお菓子を代わりに作る形です。
作っているのは自分でも、販売される時は相手のブランドの商品として並ぶ点が大きな違いです。
食品表示ラベルも確認が必要
OEMでは、作る人と販売する人が分かれるため、食品表示ラベルの確認も必要です。
- 誰が販売者なのか
- 誰が製造者なのか
- どこで製造したのか
これらをどのように表示するのかは、事前に確認しておきましょう。
また、栄養成分表示についても確認が必要になる場合があります。
小規模事業者の場合、栄養成分表示を省略できる場合があります。
ただし、卸先や販売先、販売形態によって、栄養成分表示が必要になる場合もあります。
食品表示ラベルは、なんとなくで判断せず、必要に応じて保健所や専門家に確認しておくと安心です。
OEMを始める前に確認したいこと
OEMを始める前には、最初に条件をあいまいにしないことが大切です。
発注・依頼する側なら、次のことを確認しておきましょう。
- 何個から作ってもらえるのか
- 1個あたりいくらになるのか
- 食材や包装資材は誰が用意するのか
- 自分のレシピ通りに作ってもらえるのか
- 納品までにどれくらい時間がかかるのか
- 在庫リスクを抱えられるのか
受託する側なら、次のことを確認しておきましょう。
- 自分の製造場所で対応できる商品か
- 何個以上なら受けられるのか
- 相手指定の材料や作り方に対応できるのか
- 包装資材やラベルは誰が用意するのか
- 自分のブランド名が出ない仕事として受けられるのか
どちらの立場でも、ロット、単価、在庫リスク、食品表示、製造場所の許可などを確認しておく必要があります。
小さなお菓子屋さんにとって、OEMはすぐに誰でもできる簡単な方法ではありません。
ですが、作ることを仕事にしたい人にとっても、自分のブランドの商品を広げたい人にとっても、ひとつの選択肢になる働き方です。
まとめ|OEMは、得意を活かし合う働き方
OEMは、作る人と販売するブランドを分ける考え方です。
発注・依頼する側は、自分のブランドの商品を作ってもらうことができ、受託する側は、相手のブランドの商品を代わりに作ることで売上の柱を増やすことができます。
ただし、ロット数、単価、在庫リスク、食品表示ラベル、製造場所の許可など、事前に確認すべきこともあります。
まずは、自分が発注する側なのか、受託する側なのかを整理し、無理のない形で取り組めるか考えてみましょう。
「自分の工房で、他社の商品を作っても良いのかな?」
「シェアキッチンを使って、OEMや製造受託はできるの?」
「食品表示ラベルは、誰の名前で書けば良いの?」
そんな実務的な疑問がある方は、個別相談で一緒に整理しましょう。
個別相談では、今の製造場所や販売方法をお聞きしながら、OEMや製造受託を始める前に確認したいことを一緒に整理します。
あなたの得意を、無理のない形で仕事にしていきたい方は、下記より詳細をご覧ください。
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