小さなお菓子屋さんを始めようと思った時、必ずと言っていいほど出てくるのが「お金」の悩みです。

「この値段で高くないかな?」
「私がこの価格で売っていいのかな?」
「安くしないと売れない?」
「完売したのに、なぜか手元にお金が残らない…」

そんなふうに感じる方は、とても多いです。

お菓子販売では、材料費だけでなく、包装資材、レンタルキッチン代、出店料、送料、ネットショップ手数料、自分の作業時間など、いろいろなお金が関わってきます。

だからこそ、なんとなく値段をつけると、売れたのに利益が残らない状態になってしまうことがあります。

まずは、原価・価格・利益の関係を整理していきましょう。

まず整理したい3つのお金|原価・価格・利益

お菓子販売のお金を考える時は、まず「原価」「価格」「利益」の3つに分けて整理するとわかりやすくなります。

  1. 原価
  2. 価格
  3. 利益

原価

原価とは、その商品を作って販売するためにかかった費用のことです。

小麦粉、米粉、砂糖、卵、バター、チョコレートなどの食材費だけでなく、袋・箱・シール・乾燥剤などの包装資材、レンタルキッチン代、マルシェ出店料、ネットショップの手数料や梱包資材なども関係してきます。

特に小さなお菓子屋さんの場合は、販売頻度によって原価の考え方が変わります。

月1回程度の販売なら、今回の販売に向けてかかった費用の合計を見る。
継続販売するなら、食材ごとに1g単価を出して、1袋あたりの原価を計算する。

まずは、ご自身の商品にいくらかかっているのかを見える化することが大切です。

価格

価格とは、お客様に販売する金額です。

価格は自由に決められますが、なんとなくで決めてしまうと、売れても手元にお金が残らないことがあります。

「近くのお店がこのくらいだから」
「高いと思われそうだから」
「最初だから安くしておこう」

と決める前に、原価、販売方法、手数料、送料、包装資材、自分の人件費、今後も続けていけるかどうかを考える必要があります。

安くすれば必ず売れるわけではありません。
お客様に喜んでいただきながら、自分も続けていける価格を考えることが大切です。

利益

利益とは、売上からかかった費用を引いて残るお金です。

例えば、400円で販売した商品に対して、食材や包装資材などに150円かかっているなら、単純計算では250円が残ります。

ただし実際には、レンタルキッチン代、出店料、送料、手数料、自分の作業時間なども考える必要があります。

「売上がある」ことと、「利益が残っている」ことは同じではありません。

お菓子販売を続けていくためには、売上だけでなく、最終的に手元にいくら残るのかを見ることが大切です。

利益率・原価率は「続けられるか」を見る数字

お菓子販売のお金を考える時に、よく出てくる言葉が「原価率」と「利益率」です。

原価率とは、販売価格に対して原価がどれくらいの割合を占めているかを見る数字です。

例えば、原価150円の商品を400円で販売する場合、

150円 ÷ 400円 = 37.5%

となり、原価率は37.5%です。

一方で利益率は、販売価格に対して利益がどれくらい残るかを見る数字です。

よく「原価3割」と言われることがありますが、原価率は3割でなければならない、というわけではありません。

焼き菓子なのか、生菓子なのか。
単品販売なのか、ギフト販売なのか。
マルシェ販売なのか、ネットショップ販売なのか。

販売する商品や売り方によって、必要な利益は変わります。

原価率や利益率は、「正解の数字」を探すためだけのものではありません。

  • その価格で続けられるか。
  • 次の材料を買えるか。
  • 自分の人件費が残るか。
  • 販売を重ねても苦しくならないか。

こうしたことを見るための数字です。

販売方法によって手元に残るお金は変わる

同じお菓子を同じ価格で販売しても、販売方法によって手元に残るお金は変わります。

マルシェ、ネットショップ、委託販売では、かかる費用や手数料が違うためです。

マルシェ販売

マルシェ販売では、お客様と直接お話ししながら販売できます。

一方で、出店料、駐車場代、交通費、什器、POP、紙袋などがかかります。

また、当日は搬入、設営、販売、撤収まで自分で行うことが多いです。

「商品原価だけを見たら利益が出ている」と思っても、出店料や交通費を入れると、思ったより残らないことがあります。

マルシェ販売では、1日の売上だけでなく、その日のためにかかった総額を見ることが大切です。

ネットショップ販売

ネットショップ販売は、ロスを防ぎやすい販売方法です。

PDF資料でも、ネットショップは「まだ商品が手元になくても販売できる、極めてロスを防ぎやすい販売方法」とされています。

販売期間を決めて、注文数を確認してから製造・発送することで、作りすぎを防ぎやすくなります。

ただし、ネットショップでは、決済手数料、梱包資材、送料、発送作業の時間がかかります。

送料込みにするのか、送料別にするのか。
冷蔵・冷凍が必要なのか。
箱や緩衝材はいくらかかるのか。

ここまで含めて価格を考える必要があります。

委託販売

委託販売では、自分のお菓子を他のお店に置いて販売していただく形になります。

この場合、お客様が支払った金額のすべてが自分の手元に入るわけではありません。

委託先の取り分、つまり委託料がかかります。

委託料は委託先によりますが、売値の20〜40%である場合が多いです。200円の商品で委託料20%なら40円、40%なら80円が委託先に入り、作り手さんの手元に残る金額が変わります。

委託販売をする場合は、店頭販売やマルシェ販売と同じ価格感覚で決めると、思ったより手元に残らないことがあります。

まとめ|お金の流れが見えると、価格の不安が減る

お菓子販売のお金は、最初は難しく感じるかもしれません。

ですが、まずは次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

原価。
価格。
利益。

原価を知ることで、価格を考えやすくなります。

価格を考えることで、利益が残るかどうかが見えてきます。

利益率や原価率を見ることで、その販売を続けていけるかどうかを判断しやすくなります。

「なんとなく安くする」のではなく、数字を見て考えること。

それが、小さなお菓子屋さんを続けていくためのお金の基本です。

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お菓子販売のお金の考え方で迷っている方へ

「原価をどこまで入れたらいいかわからない」
「この価格で販売して大丈夫か不安」
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ABOUT ME
yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!