「小麦を使わない米粉のお菓子を作っているので、グルテンフリーと書きたい」
「卵や乳を使っていないので、アレルギーフリーのお菓子として販売したい」

そんなふうに考える方もいるかもしれません。

お客様に安心して選んでいただきたい、食べられる人を増やしたい、という気持ちはとても素敵です。

ただし、シェアキッチンを利用してお菓子を作る場合は、「グルテンフリー」「アレルギーフリー」「特定原材料不使用」といった表現を使う時に、慎重に考える必要があります。

理由は、同じ厨房を複数の作り手さんが使うためです。

自分自身は小麦を使っていなくても、前の利用者さんが小麦粉を使っているかもしれません。

自分自身は卵や乳を使っていなくても、同じオーブンや作業台、備品で、卵や乳を含むお菓子が作られているかもしれません。

この記事では、シェアキッチンでお菓子を作る時に知っておきたい、コンタミネーションの考え方と、「グルテンフリー」「アレルギーフリー」と書く時の注意点を整理します。

結論|シェアキッチンで「グルテンフリー」「アレルギーフリー」は慎重に

結論から言うと、利用先のシェアキッチンに食材制限がない場合、「グルテンフリー」「アレルギーフリー」と断言する表現は慎重に考えた方が良いです。

たとえば、シェアキッチン全体として、

  • 小麦の持ち込み禁止
  • 卵の持ち込み禁止
  • 乳製品の持ち込み禁止
  • ナッツ類の持ち込み禁止

などのルールがある場合は別ですが、一般的なシェアキッチンでは、いろいろな作り手さんが、いろいろな食材を使います。

そのため、自分のレシピに小麦を使っていないとしても、製造環境まで含めて「小麦が混ざる可能性はありません」と言い切ることは難しいです。

コンタミネーションとは?

コンタミネーションとは、原材料として使用していないにもかかわらず、製造工程などでアレルゲンが微量に混ざってしまうことです。

「コンタミ」と略して呼ばれることもあります。

たとえば、小麦を使っていない米粉のお菓子を作っていたとしても、同じ場所で小麦粉を使ったお菓子が作られていれば、微量の小麦が混ざる可能性を完全には否定できません。

食物アレルギーは、ごく微量であっても症状が出る場合があります。

だからこそ、「原材料として使っていない」ことと、「アレルギーを持つ方が安心して食べられる」と言い切ることは、分けて考える必要があります。

シェアキッチンでコンタミが起こりやすい理由

シェアキッチンは、複数の作り手さんが同じ厨房を使う場所です。

そのため、自分だけがどれだけ気をつけていても、厨房全体としてどのような食材が使われているかを確認する必要があります。

たとえば、次のようなケースがあります。

  • 前の利用者さんが小麦粉を使っていた
  • 共有のボウルやゴムベラ、型、天板を使う
  • 同じオーブンで小麦粉を使った焼き菓子を焼いている
  • 作業台や設備に微量の粉や原材料が残っている可能性がある

特に粉類は、作業中に空気中に舞うことがあります。

自分のボウルやゴムベラを持参していたとしても、オーブンやシンク、作業場を共有する場合は、完全に混ざらないと言い切るのは難しいです。

自分専用の道具を持参する場合も、保管状態や持ち込み時の衛生管理が大切です。利用先のシェアキッチンのルールに従い、持ち込み可能な道具や保管方法を事前に確認しましょう。

書けるとしたら「原材料には小麦を使用していません」まで

どうしても「小麦を使っていないこと」を伝えたい場合、書ける範囲としては、

「原材料には小麦を使用していません」

くらいまでが現実的です。

ただし、この表現も「小麦アレルギーの方が食べても必ず安全です」という意味ではありません。

あくまで、レシピ上の原材料として小麦を使用していない、という意味です。

「グルテンフリー」
「小麦アレルギーの方も安心」
「アレルギーフリー」
などの表現は、お客様に強い安心感を与えます。

だからこそ、製造環境まで含めて本当にそう言えるのか、慎重に考える必要があります。

注意喚起の文言例

同じ施設や設備でアレルゲンを含む製品を製造している場合、原材料表示欄の外に、注意喚起の一文を入れることがあります。

注意喚起の文言例

「本品製造工場では、卵・乳・小麦を含む製品を製造しています」

「小麦を使用した設備で製造しています」

このような一文は、アレルギーをお持ちのお客様が、自分の症状の重さやリスクと照らし合わせて、食べるかどうかを判断するための情報になります。

注意喚起の文言は、原材料として使用したアレルゲンの表示とは別に、お客様が判断しやすくするための情報として記載するものです。

シェアキッチン利用時に確認したいこと

シェアキッチンで米粉のお菓子やアレルギー配慮の商品を作りたい場合は、事前に次のことを確認しましょう。

  • そのキッチンで小麦、卵、乳、ナッツ類などが使われているか
  • 食材制限やアレルギー対応のルールがあるか
  • 共有備品を使うのか、自分専用の道具を持参できるか
  • オーブンや作業台を共有する場合、清掃ルールはどうなっているか
  • 「グルテンフリー」「アレルギーフリー」と表示して問題ない施設か

迷う場合は、シェアキッチンの運営者さんや保健所に確認してください。

食品表示ラベルだけでなく、ネットショップ、Instagram、チラシ、ショップカードなどでの表現にも注意が必要です。

まとめ

シェアキッチンでお菓子を作る場合、「グルテンフリー」「アレルギーフリー」と書く時は慎重に考える必要があります。

自分が原材料として小麦や卵、乳などを使っていなくても、同じ厨房で他の利用者さんが使っている可能性があります。

そのため、「フリー」と断言するよりも、
「原材料には小麦を使用していません」
のように、事実に基づいた表現にとどめる方が安心です。

必要に応じて注意喚起文を入れ、お客様が自分で判断できる情報を出していきましょう。

食品表示やシェアキッチン利用で迷う方へ

食品表示ラベルやアレルギー表示は、商品によって確認することが変わります。

特にシェアキッチンを利用する場合は、製造場所、許可、食品表示、販売ページでの表現、注意喚起まで、整理することが多くなります。

「自分の商品は、どこまで書いていい?」
「米粉のお菓子を販売したいけれど、グルテンフリーと書いていい?」
「販売前にラベルや表示を確認したい」

という方は、ラベル講座や個別相談をご活用ください。

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