「シェアキッチンでお菓子を作って販売したら、ちゃんと利益は残りますか?」

お菓子販売を始めたい方から、よく出てくる疑問です。

シェアキッチンは、自分で工房を作らなくても、保健所の許可がある場所を借りてお菓子を製造できる、とても心強い選択肢です。

一方で、シェアキッチンは時間貸しの場合が多いため、材料費だけでなく、キッチン代も考える必要があります。

結論から言うと、シェアキッチンでのお菓子販売は、やり方次第で利益を残すことはできます。

ただし、1回の製造を1回の販売だけで終わらせると、キッチン代の負担が大きくなりやすいです。

大切なのは、何ヶ所か、何度かに分けて販売するものを、できるだけまとめて作るという考え方です。

たとえば、同じ日に、

・マルシェ出店分
・通販の発送分
・委託販売先への納品分
・予約販売分

をまとめて製造できれば、1回のキッチン利用を複数の販売機会につなげることができます。

この記事では、シェアキッチンでお菓子販売を始めたい方に向けて、利益を残しやすくするための価格設定と売り方の考え方を解説します。

シェアキッチン販売で利益が残りにくい理由

シェアキッチンでお菓子を販売する時に、利益が残りにくくなる理由のひとつは、材料費だけで価格を考えてしまうことです。

お菓子を販売する時には、食材費以外にも、さまざまな費用がかかります。

  • 小麦粉、バター、砂糖、卵などの食材費
  • 包装袋、乾燥剤、シール、箱などの包材費
  • 食品表示ラベル
  • シェアキッチン代
  • 交通費
  • マルシェ出店料
  • ネットショップの決済手数料
  • 送料、梱包資材
  • 同梱チラシ など

自宅で試作している時は、場所代が見えにくいかもしれません。

ですが、販売用のお菓子を作る場合は、保健所の許可がある場所で製造する必要があります。

シェアキッチンを借りるなら、その利用料も販売にかかる費用として考える必要があります。

「材料費だけ見れば利益が出ているように見えるけれど、キッチン代や包材費を入れたら、思ったほど残らなかった」

ということは、初心者さんほど起こりやすいです。

シェアキッチン代は「時間でかかる場所代」

シェアキッチンを使う時に意識したいのは、シェアキッチン代は時間でかかる場所代ということです。

多くのシェアキッチンは、1時間いくら、半日いくら、1日いくらという形で料金が決まっています。

つまり、同じ商品を作る場合でも、

  • 3時間で作れる人
  • 5時間かかる人
  • 7時間かかる人

では、キッチン代が変わります。

お菓子そのものの材料費が同じでも、製造時間が長くなれば、1個あたりにかかるキッチン代も増えます。

だからこそ、シェアキッチンで販売する時は、

「いくらで売るか」

だけでなく、

「何時間で、どれくらい作れるか」

も大切です。

たくさん売れたとしても、作る時間が倍になり、キッチン代も倍になってしまうと、思ったほど利益が残らないことがあります。

黒字にしなきゃいけない…とも限らない

原則、【赤字のものは、続かない】です。

ただ、例えば、会社勤めをしていて、お菓子販売でプラスにならなくても生活は困らない状況で、「作ったお菓子を周りの方に配るだけではなく、直接つながっていない方にも食べていただけたら嬉しい」という気持ちでチャレンジする方もいらっしゃいます。

そういった方の場合は、利益や経費のことを細かく考えるよりも、「楽しく作って販売できたら嬉しい」という気持ちのゴールもあります。

シェアキッチン販売で黒字化しやすくする4つのコツ

シェアキッチンでお菓子販売をする時は、ただ「たくさん作る」だけではなく、1回の製造をどう売上につなげるかが大切です。

ここでは、シェアキッチン代を効率よく使いながら、利益を残しやすくする考え方を4つに分けて紹介します。

黒字化のコツ1:1回の製造を、複数の販売機会につなげる

シェアキッチンで利益を残しやすくするために大切なのは、1回の製造を、1回の販売だけで終わらせないという考え方です。

たとえば、マルシェに出るためだけにシェアキッチンを借りて、その日の出店分だけを作るとします。

もちろん、それでも販売はできます。

ただ、キッチン代、交通費、準備時間、片付け時間を考えると、1回の販売だけで回収するのは大変なことがあります。

同じ日にまとめて製造できるか考えてみる
  • マルシェ販売分
  • 通販発送分
  • 委託販売先への納品分
  • 予約販売分

1回キッチンを借りた時に、複数の販売機会につなげられれば、キッチン代の負担を分散できます。

これは、たくさん作れば良いという意味ではありません。

売り先がないまま大量に作ると、売れ残りやロスにつながります。

大切なのは、売り先を考えたうえで、まとめて作ることです。

黒字化のコツ2:作る前に、売り先と販売数を決めておく

まとめて作ること自体が目的ではありません。

たくさん作っても、売れなければ利益にはなりません。

お菓子は雑貨と違って、賞味期限があります。

作ったものが売れ残れば、食材費、包材費、キッチン代、自分の時間がそのまま負担になります。

だからこそ、シェアキッチンで効率よく販売するには、製造日より先に、売り方を考えておくことが大切です。

売り先を検討して製造量を決める
  • マルシェで何個くらい売れそうか
  • 事前予約を取れるか
  • 通販で何セット販売するか
  • 委託先に何個納品できるか
  • 常連さんへ事前案内できるか

「作ってから売る」よりも、売る予定を作ってから製造する方が、シェアキッチン代を無駄にしにくくなります。

黒字化のコツ3:単品だけでなく、セット販売を考える

シェアキッチンで利益を残しやすくするには、客単価も大切です。

たとえば、300円のお菓子を10個売ると、売上は3,000円です。

一方で、3,000円の詰め合わせセットを1つ販売しても、売上は同じ3,000円です。

もちろん、どちらが良い・悪いという話ではありません。

ただ、接客、包装、会計、発送、メッセージ対応などを考えると、単価が低い商品ばかりでは、手間の割に利益が残りにくくなることがあります。

セット販売を考える
  • 詰め合わせセット
  • ギフトセット
  • 季節限定セット
  • 食べ比べセット
  • 送料込みセット
  • 予約販売セット など

特に通販では、送料や梱包の手間もかかります。

数百円の商品を単品で送るより、ある程度まとまったセットにした方が、販売側にもお客様側にもメリットが出やすいです。

また、マルシェでも、単品だけでなく「おすすめセット」「ギフトセット」があると、お客様が選びやすくなります。

黒字化のコツ4:予約販売でロスを減らす

シェアキッチンを使う場合、予約販売はとても相性が良い販売方法です。

予約販売のメリット
  • 作りすぎを防げる
  • 食材ロスを減らせる
  • キッチン利用時間の目安が立てやすい
  • 必要な包材数がわかる
  • 売上の見込みを立ててから製造できる

特に、月1回のネットショップ販売や、季節限定の予約販売は、シェアキッチンとの相性が良いです。

「〇月〇日まで予約受付」
「〇月〇日に製造」
「〇月〇日から発送」

という流れを作ると、製造日を決めやすくなります。

予約数に合わせて材料を準備できるため、無駄も出にくくなります。

もちろん、最初から大きく募集しなくても大丈夫です。

まずは少量でも、予約を受けてから作る流れを作ることで、売れ残りの不安を減らしながら販売できます。

価格だけで選ばれない商品にする

利益を残すためには、価格設定だけでなく、商品の伝え方も大切です。

お菓子販売を始めると、どうしても周りの価格が気になります。

「他の人はもっと安い」
「この価格だと高いと思われるかもしれない」
「まだ初心者だから安くしないと売れないかも」

そう思うこともあるかもしれません。

でも、安売りだけで選ばれる商品にしてしまうと、材料費やキッチン代が上がった時に続けるのが苦しくなります。

大切なのは、価格を下げることではなく、価格以上の価値があると伝えることです。

たとえば、

・どんな素材を使っているのか
・どんな想いで作っているのか
・どんな人に届けたいのか
・どんな場面で食べてほしいのか
・どんなこだわりがあるのか
・なぜこの商品を作っているのか

を、SNSや販売ページ、ショップカード、商品説明で伝えていきます。

お客様は、ただ「安いから」だけで買うわけではありません。

「この人から買いたい」
「この世界観が好き」
「贈り物にしたい」
「自分へのご褒美にしたい」

と思っていただけると、価格だけで比較されにくくなります。

まとめ|1回の製造を、複数の販売機会につなげよう

シェアキッチンでのお菓子販売は、やり方次第で利益を残すことができます。

ポイントは、1回キッチンを借りたら、その製造を複数の販売機会につなげることです。

たとえば、

・マルシェ分
・通販分
・委託販売分
・予約販売分

を同じ製造日にまとめて作ることができれば、シェアキッチン代を効率よく使いやすくなります。

もちろん、売り先がないまま大量に作るのは危険です。

先に売り方を考え、必要な分をまとめて作ることが大切です。

まずは次の販売で、何時間借りて、何個作れて、どこで売れて、いくら残ったのかを記録してみましょう。

その積み重ねが、無理なく続けられるお菓子販売につながります^^

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ABOUT ME
yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!