お菓子販売の価格設定|安売りせずに利益を残す値段の決め方
お菓子販売を始める時、多くの方が迷うのが価格設定です。
「この値段で高くないかな?」
「安くしないと売れない?」
「原価は出したけれど、結局いくらで売ればいいの?」
でも、価格はなんとなく決めるものではありません。食材費や包装資材、レンタルキッチン代、出店料、ネットショップ手数料などを整理したうえで、利益が残る価格を考える必要があります。
この記事では、小さなお菓子屋さんに向けて、原価の考え方、原価率の目安、価格設定で失敗しない考え方、安売りせずに価値を伝える方法を整理します。
- お菓子販売の価格設定で最初に考えること
- 原価率の目安と考え方
- 安くしすぎて利益が残らない時の注意点
- 高くても選ばれるために必要な価値の伝え方
目次
お菓子販売の価格設定で最初に考えること
お菓子の価格を決める時、多くの方が最初に気にするのは「高いと思われないかな?」「この値段で売れるかな?」ということだと思います。
もちろん、お客様が買いやすい価格かどうかは大切です。ですが、それだけで価格を決めてしまうと、売れているのに利益が残らない、作れば作るほど苦しくなる、という状態になってしまうことがあります。
価格設定で最初に考えたいのは、お客様にとっての買いやすさと、作り手が続けられる利益の両方です。
お菓子販売では、食材費や包装資材だけでなく、レンタルキッチン代、出店料、交通費、ネットショップの手数料、試作費、今後の設備投資などもかかります。
そのため、価格を決める前に、まずは次の3つを整理しておきましょう。
- いくらかかっているか:食材費、包装資材、出店料、レンタルキッチン代、手数料など
- いくら残したいか:自分の人件費、次の仕入れ、設備投資、事業を続けるための利益
- なぜその価格で選ばれるのか:素材、手間、味、世界観、ギフト性、販売方法、届けたいお客様
価格は、なんとなく決めるものではありません。
「周りがこのくらいだから」「高いと言われそうだから」と感覚だけで決めるのではなく、原価、利益、価値の伝え方を整理したうえで決めることが大切です。
まずは、自分の商品にかかっているお金を見える化するところから始めましょう。
価格を決める前に、原価を把握しよう
価格設定をする前に、まず自分の商品にどれくらいお金がかかっているのかを確認しましょう。
原価の考え方は、販売頻度によって少し変わります。月1回程度の販売なら、その販売のためにかかった食材費・包装資材・出店料・レンタルキッチン代などをまとめて見る「総額思考」が現実的です。
一方で、継続的に製造・販売する場合は、材料ごとの1g単価を出し、商品1個あたりの原価を計算していく必要があります。
詳しい原価計算は別記事で開設予定です。
原価率は何割が正解?
よく「原価3割」と言われます。
ですが、3割でなければならない理由はありません。
洋菓子店では、
- 生ケーキは4割
- 焼き菓子は2割
など、商品ごとにバランスを取っています。
大切なのは、商品単体ではなく、お店全体で設計することです。
価格設定は自由、だけど残ったものが自分の人件費
【いくらでなければならない】ということはなく、【自分がつけたい金額】に設定して良いのです。
ですが現実として、
売上から
- 食材費、包装資材などの製造原価
- 家賃、レンタルキッチン代
- マルシェなら出店料、当日の交通費、製造費の交通費
- ネットショップならネットショップの手数料
- (今後将来何かを外注する時のための余力)
などを差し引いた残りが、自分の人件費になります。
高くても売れる人がやっていること
価格を上げる前に必要なのは、付加価値を伝える発信です。
- どれだけ手間がかかっているか
- どれだけ吟味しているか
- どれだけ考えているか
知らなければ、価値は存在しないのと同じです。
価格より価値が上回る状態をつくる。
その積み重ねが、価格を支えます。
【結論】お菓子の価格設定はこう決める
初心者の方はまず、
- 原価率30〜40%を目安にする
- 迷ったら少し高めに設定する(後から下げることは心理的ハードルが低いです)
- 売れ行きを見て調整する
この3つを意識するだけで、大きく失敗する可能性は下がります。
よくある価格設定の失敗
- 安くしすぎて利益が残らない
- なんとなくで価格を決めてしまう
- 周りに合わせすぎる
価格は「なんとなく」で決めると、後から修正が難しくなります。
FAQ|価格設定のよくある質問
Q1.他のお菓子屋さんで何かやっている価格の付け方はありますか?
A1.例えば店頭販売やマルシェで販売する際、
1個350円の商品を
通常だと3個1,050円のところ、3個まとめて買うと1,000円ぽっきり、などまとめて買うとちょっとお得作戦などがあります。
Q2.同じ商品でも、出店するイベントによって販売価格を変えることは有りですか?
A2.実際にイベントによって価格を変更するお菓子屋さんはいます。
お客様の立場に立って考えた時に違和感がなければ有りだと思います。
Q3.ネットショップで販売する際、送料込みの価格設定が良いですか?送料別の方が良いですか?
A3.商品と客層と発送場所によります。
送料込み・送料無料と書かれていても、現実として送料0円はありえません(運送会社が払っています)
つまり、商品価格に上乗せしているため、送料は「お客様の支払いに含まれている」のです。
一定金額で送料を計上したとしても、実際に運送会社へ支払う送料との差額はお菓子屋さん側が吸収することになります。
例)北海道に送る送料2,000円、東京に送る送料1,000円
送料一律1500円で計算している場合は北海道との差額500円はお菓子屋さんの負担となります。
まとめ|価格はセンスではなく構造
価格設定の前に、
- ご自身の販売頻度が月1型か継続型かを整理する
- 正しく原価を出す
- 利益を悪者にしない
価格は感覚ではありません。
構造です。
まずは一度、ご自身の数字と向き合ってみてください。
価格設定はとても重要ですが、
実は
・どんな商品にするか
・どこで販売するか
・誰に届けるか
によって最適な価格は変わります。
「自分の場合はどうしたらいいのか分からない」
という方は、
個別相談で整理することもできますので、
お気軽にご相談ください^^
次に読むおすすめ記事
- お菓子販売のお金の考え方|原価・価格・利益を迷わず整理する基本ガイド
- 原価計算を詳しく知りたい方:お菓子販売の原価計算|初心者でもできる考え方
- 利益率について詳しく知りたい方:お菓子の利益率はどれくらい必要?原価率・粗利・手元に残るお金の考え方
- マルシェでの販売価格について:マルシェ販売の価格設定|売れやすさと利益のバランス
- ブランドの価値を伝えたい方:小さなお菓子屋さんのブランド・商品設計まとめ
- 商品写真を整えたい方:お菓子の写真の撮り方|スマホで美味しそうに見せる光・構図・背景の基本
- ネットショップで売りたい方:お菓子通販の始め方|許可・ラベル・発送・ネットショップ作成まで
- 事業準備を整えたい方:お菓子販売を始める前に必要な事業準備|開業届・確定申告・保険・お金の管理
- 販売方法別の違いも確認したい方:お菓子販売の方法まとめ|マルシェ・ネットショップ・委託販売・1dayカフェの選び方
価格設定は、なんとなく決めると利益が残りにくくなります。
まずは、食材費・包装資材・出店料・レンタルキッチン代など、自分の商品にかかっているお金を見える化してみましょう。
原価計算シートを使うと、商品ごとの原価や利益を整理しやすくなります。








