「ネットショップでお菓子を売りたいけれど、いくらに設定すればいいんだろう?」

「送料込みにした方がいいのかな?」
「BASEやSTORESの手数料を引いたら、利益が残らないかも……」

お菓子通販を始める時、多くの方が悩むのが価格設定です。

通販は、全国のお客様に商品を届けられる、とても魅力的な販売方法です。
また、販売期間を決めて注文数を確認してから製造できるため、ロスを防ぎやすい販売方法でもあります。

一方で、マルシェなどの対面販売とは違い、通販には見落としやすい費用があります。

  • 発送用の段ボール
  • 緩衝材
  • 同梱するショップカードやチラシ
  • ネットショップの決済手数料
  • 売上を振り込む時の手数料
  • 送料
  • 冷蔵・冷凍発送の場合の準備

これらを見落としたまま価格を決めてしまうと、「売れたのに手元にお金が残らない」という状態になってしまうことがあります。

この記事では、通販でお菓子を販売する時の価格設定について、製造原価・梱包資材・販売手数料・送料の4つの視点から整理していきます。

この記事で分かること
  • 通販価格に入れておきたい4つの費用
  • 材料費だけで価格を決めない方が良い理由
  • 段ボールや緩衝材など梱包資材の考え方
  • BASEやSTORESなどネットショップ手数料の見方
  • 送料込み・送料別を考える時の注意点
  • 1件売れた時に自分の人件費を残す考え方
  • セット販売やまとめ買いで利益を残しやすくする工夫

通販の価格設定は「4つのコスト」の合計で考える

通販でお菓子を販売する時、価格を決める前に見ておきたい費用は、大きく4つあります。

1つ目は、製造原価
2つ目は、梱包資材費
3つ目は、販売手数料
4つ目は、送料

製造原価には、食材費や個包装の袋、乾燥剤、脱酸素剤などが入ります。

梱包資材費には、発送用の外箱、緩衝材、薄葉紙、同梱チラシ、ショップカードなどが入ります。

販売手数料は、BASEやSTORESなどのネットショップで販売した時にかかる決済手数料やサービス利用料です。

送料は、お客様に別途負担していただくのか、商品価格に含めるのかで考え方が変わります。

つまり、通販価格を考える時は、

販売価格 - 製造原価 - 梱包資材費 - 販売手数料 - 送料の負担分

を見て、最後にいくら残るかを確認する必要があります。

この残ったお金が、自分の人件費や次の販売に使えるお金になります。

① 製造原価|材料費だけでなく個包装まで見る

まず見ておきたいのが、製造原価です。

お菓子の製造原価というと、小麦粉、米粉、砂糖、卵、バター、チョコレートなどの食材費を思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん、食材費は大切です。

ただし、通販の場合は、商品を個包装して発送することが多いため、袋、シール、乾燥剤、脱酸素剤、ラベルなども見ておく必要があります。

たとえば焼き菓子を販売する場合、

  • お菓子本体の材料費
  • 個包装袋
  • 乾燥剤や脱酸素剤
  • 食品表示ラベル
  • シールやリボン

などが関係してきます。

製造原価の詳しい計算方法は、別記事「お菓子販売の原価計算」で詳しく扱っているため、この記事では「通販価格には、個包装まで含めて考える」と覚えておきましょう。

② 意外とかさむ「梱包資材」の落とし穴

通販では、お菓子そのものを包む袋以外に、配送に耐えるための梱包資材が必要です。

  • 発送用の段ボール
  • 厚紙封筒やOPP袋
  • 宅急便コンパクトの専用箱
  • 緩衝材
  • 薄葉紙
  • ショップカード
  • お礼状
  • 納品書
  • チラシ

マルシェ販売では、商品をその場でお渡しできます。

ですが通販では、お菓子がお客様の手元に届くまでに、配送中の揺れや衝撃があります。

そのため、崩れにくい箱、すき間を埋める緩衝材、見た目を整える薄葉紙などが必要になります。

実例:通販企画で80箱販売

お菓子販売講座「小さなお菓子屋さんLab」の企画で、スクール生さんのお菓子を詰め合わせて販売しました!

その際、外箱はシモジマ名古屋店さんでいくつか買って試しました(やっぱり、実際にお菓子を箱に入れてみないとサイズ感がわからないのです)

さらに、60箱や80箱の段ボールだと、店頭在庫がなく、取り寄せをお願いすることになりました。

▶︎シモジマ

梱包資材は「あとで考えればいいもの」ではありません。

価格を決める前に、実際に箱にお菓子を入れてみて、

  • この箱で入るか
  • 配送中に崩れにくいか
  • 見た目が寂しくないか
  • 1箱あたりいくらかかるか

を確認しておくと安心です。

③ ネットショップの「販売手数料」を確認する

通販では、ネットショップの販売手数料も見落としやすいポイントです。

BASE、STORES、minne、Creemaなど、どのサービスを使うかによって、売上から引かれる手数料が変わります。

ここで大切なのは、手数料は「なんとなく数%」ではなく、1件売れた時に実際いくら引かれるかを見ておくことです。

たとえば、販売価格が3,000円の商品と、販売価格が1,000円の商品では、同じ手数料率でも手元に残る金額が変わります。

また、売上を自分の口座に振り込む時の振込手数料や事務手数料もあります。

販売数が少ないうちは、売上をこまめに振り込むと手数料の負担が大きくなることがあります。なので、ある程度売上がまとまってから出金することがおすすめです。

販売数が増えてきたら、月額費用を払う有料プランの方が結果的に手数料を抑えられる場合もあります。

実例:通販企画で80箱販売

お菓子販売講座「小さなお菓子屋さんLab」の企画で、スクール生さんのお菓子を詰め合わせて販売した際、BASEを使ったのですが、有料プランにすることを失念しており、手数料が余分にかかりました…(トホホ…)

※BASE・STORESなどの手数料やプラン内容は変更されることがあります。実際にネットショップを作成する前に、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

④ 「送料」の設定とサイズ規定の考え方

通販価格で大きく悩みやすいのが送料です。

  • 送料をお客様に別途負担していただくのか
  • 商品価格に含めて送料込みにするのか
  • 地域別に設定するのか
  • 全国一律にするのか

どの方法にもメリット・デメリットがあります。

また、送料は、箱のサイズや重さ、配送温度帯によって変わります。

  • 常温で送れるのか
  • 冷蔵が必要なのか
  • 冷凍が必要なのか
  • ポスト投函できるサイズなのか
  • 宅急便コンパクトで入るのか
  • 通常の宅急便になるのか

これによって、必要な送料も変わります。

特に冷蔵・冷凍便は、通常の常温配送より費用が高くなりやすいです。

また、商品を冷蔵・冷凍で発送する場合は、配送会社ごとのルールや予冷の条件を確認しておく必要があります。

「送料無料」にする場合も送料はどこかに含まれている

通販では、「送料無料」にするかどうかも悩みやすいところです。

ただし、お客様から見える送料が0円でも、運送会社さんに支払う送料は必ず発生しています。

そして商品代金に上乗せされていて、お客様のお支払いに含まれているのです。さらに、送料一律で設定した場合、地域による差額をお店側が吸収することになります。

送料無料の裏側

たとえば、北海道に送る送料が2,000円、東京に送る送料が1,000円だったとします。

送料を一律1,500円で設定した場合、北海道への発送では差額500円をお店側が負担することになります。

一方で、東京への発送では送料差額が残ることもあります。

このように、送料込みや全国一律送料にする場合は、地域差をどこまでお店側が吸収するのかを考える必要があります。

お客様にとってわかりやすい送料設定にすることも大切ですが、お店側が無理をしすぎない設計にしましょう。

最後に|「人件費」を残すための計算式

価格設定に、これという唯一の正解はありません。

また、「原価3割」に必ず合わせなければならないわけでもありません。

大切なのは、1件売れた時に、自分の手元にいくら残るかを見ることです。

この式で、1件売れた時にいくら残るかを見てみましょう。

販売価格 -(製造原価 + 梱包資材費 + 販売手数料 + 送料の負担分)= 自分の人件費・利益

もし、手元に残る金額が少なすぎる場合は、価格を見直す必要があります。

家計簿・お小遣い帳と同じで、

  • 収入を増やす・入ってくるものを増やす
  • 経費を減らす・出ていくものを減らす

  • 価格を上げる
  • セット販売にする
  • 送料別にする
  • 梱包資材を見直す
  • 発送方法を見直す
  • 販売ページで価値を伝える

入ってくるものか、出ていくものか、何を調整・改善しようとしているか頭の片隅に置きながら考えることが大切です。

セット販売で送料・手数料の比率を下げる

通販では、1件ごとの送料や手数料がかかります。

そのため、単品1個だけを送るよりも、セット販売にした方が、送料や手数料の比率を下げやすくなることがあります。

  • 単品販売
  • 3個セット
  • 5個セット
  • 季節の詰め合わせ
  • ギフトボックス

このような商品設計にすると、1件あたりの購入金額が上がります。

もちろん、箱代や包装資材も増えるため、セットにすれば必ず利益が増えるわけではありません。

ですが、送料・手数料・梱包作業の手間を考えると、通販では「1回の注文でいくら買っていただくか」を考えることが大切です。

まとめ|まずは「仮の価格」で1セット売ってみる

通販の価格設定では、材料費だけでなく、梱包資材、販売手数料、送料まで含めて考えることが大切です。

まずは、

  1. 製造原価を出す。
  2. 梱包資材をそろえて、実際にお菓子を詰めてみる。
  3. 発送方法と送料を確認する。
  4. ネットショップの手数料を確認する。
  5. 送料や手数料を引いても利益が残る価格を仮で決める。

この順番で整理してみましょう。

通販の準備は、最初はやることが多く感じるかもしれません。

ですが、一度計算の型を作ってしまえば、2回目以降は見直しやすくなります。

あなたの自信作を全国のお客様に届けるために、まずは仮の価格で1セット、数字と向き合ってみましょう。

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ABOUT ME
yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!