マルシェ保険とは?出店時の事故に備える考え方
マルシェに出店する時、
「テントが風で飛んだらどうしよう」
「什器が倒れてお客様に当たったら?」
「商業施設の床を汚してしまったら?」
「主催者さんが保険に入っていれば大丈夫なのかな?」
と不安になることはありませんか?
お菓子販売というと、食中毒や異物混入など、商品そのものの事故を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、製造・販売したお菓子による事故に備えるPL保険も大切です。
ただ、マルシェ出店では、商品そのもの以外にも、テント、什器、看板、会場設備などにまつわる事故が起こる可能性があります。
この記事では、マルシェ出店時に考えておきたい保険について、特に「施設賠償」の考え方を中心に整理します。
食品ビジネスに必要な保険全体を整理したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
目次
マルシェ保険とは?
「マルシェ保険」という名前の保険が必ずある、というよりも、マルシェ出店時に起こりうる事故に備える保険をまとめて、この記事ではマルシェ保険と呼ぶことがあります。
マルシェ出店では、販売当日だけでも、
- 商品を運ぶ
- 会場に搬入する
- テントや什器を設置する
- 商品を並べる
- お客様に販売する
- 片付け、撤収する
という流れがあります。
マルシェ出店は、お客様と直接コミュニケーションが取れる楽しい販売方法です。
一方で、運搬、設営、販売、撤収まで自分で行うことも多く、ブースまわりの安全管理も出店者自身が考える必要があります。
お菓子販売の場合、食中毒や異物混入に備えるPL保険だけでなく、出店中のテントや什器、会場設備にまつわる事故にも目を向けておくと安心です。
PL保険とマルシェ出店時の保険は何が違う?
PL保険は、主に「製造・販売した商品が原因の事故」に備える保険です。
お菓子販売でいうと、
- 食中毒
- 異物混入
- 販売したお菓子が原因でお客様が体調を崩した
- 異物によりお客様が口の中をケガした など
一方で、マルシェ出店時には、商品そのもの以外の事故も考えられます。
- テントが風で舞い上がる
- 什器が倒れる
- 看板や棚がお客様に当たる
- 商業施設の床を汚してしまう
- ブース周辺の荷物でお客様がつまずく
といったケースです。
このような、出店ブースや設備に関係する事故は、PL保険とは別に考える必要があります。
PL保険について詳しく知りたい方は、別記事で確認してください。
施設所有管理者賠償責任保険とは?

マルシェ出店時に確認したい保険のひとつが、施設所有管理者賠償責任保険です。
施設所有管理者賠償責任保険は、
【所有している施設や設備が、第三者の身体の障害または財物の損害を与えた場合に、法律上の賠償責任を負担することによって被る損害を補償するもの】
だと認識しています。
小さなお菓子屋さんで考えられるケースは、マルシェ出店時のテントです。
マルシェに出店する際、出店先で自分でブース、つまりテントを設置して出店することがあります。
そのテントが風で舞い上がって、人、つまりお菓子やコーヒーを買ったお客様などに当たってしまったり、車やお洋服、鞄などに損害を与えてしまったりした場合、その損害は店主さん、お菓子屋さんの責任になる可能性があります。
テントという施設にまつわる損害を賠償する=施設賠償、という考え方です。
他にも、商業施設内に出店していて、商業施設の床にコーヒー等をこぼしてしまった際、商業施設さんへの賠償が関係することもあります。
マルシェ出店で想定される事故
マルシェ出店では、商品そのもの以外にも、いくつかの事故が考えられます。
テントが風で飛ぶ
屋外マルシェで特に気をつけたいのが、テントです。
風が強い日だけでなく、急に突風が吹くこともあります。
テントが舞い上がって、お客様や他の出店者さん、車や持ち物に損害を与えてしまうと、出店者側の責任になる可能性があります。
主催者さんからテントの重りの指定がある場合は、必ず確認しましょう。
什器や看板が倒れる
お菓子を並べる棚、看板、ディスプレイ用品なども注意が必要です。
おしゃれに見せることも大切ですが、それ以上に大切なのは、安全に販売できることです。
棚がぐらついていないか。
看板が倒れやすくないか。
商品を高く積みすぎていないか。
お客様が触れた時に倒れないか。
出店前に確認しておきましょう。
会場設備を汚してしまう
屋内マルシェや商業施設内の出店では、会場設備への配慮も必要です。
たとえば、商業施設の床にコーヒー等をこぼしてしまった場合、商業施設さんへの賠償が関係することもあります。
床、壁、備品、電源まわりなど、会場側のルールを確認しておきましょう。
お客様がブース周辺でつまずく
ブース周辺に荷物やコード、保冷バッグなどが出ていると、お客様がつまずいてしまう可能性があります。
特に、人通りが多いマルシェでは、出店者が思っている以上にブースの前を多くの方が通ります。
通路にはみ出さないこと。
足元に物を置きすぎないこと。
電源コードや荷物の位置を確認すること。
こうした小さな確認が、事故を防ぐことにつながります。
主催者保険に頼りきらず、自分でできる備えを整える
マルシェやイベントによっては、主催者さんが保険に入っている場合があります。
主催者保険については、もし主催者さんが入ってくださっているなら、それはそれで安心材料のひとつです。
ただし、出店者は出店者で、自衛策として考えることが大切です。
「主催者保険があるから大丈夫」と考えるのではなく、
- 自分が設置するテント
- 自分が持ち込む什器
- 自分の商品
- 自分のブースまわり
- 食品表示ラベル
- 保存方法や温度管理
など、自分でコントロールできることを確認しておきましょう。
主催者さんの保険でどこまで補償されるのかは、イベントごとに異なります。
必要に応じて、出店者自身でも保険会社さんや代理店さんに相談しておくと安心です。
1日だけ出店する場合も、確認することは同じ
1日だけの出店で「PL保険も1日だけ入れるの?」と気になる方もいます。
このテーマは、別記事で詳しく整理しています。
▶︎1日だけ入れるPL保険はある?お菓子販売・マルシェ出店前の確認ポイント
この記事では、1日だけかどうかに関係なく、マルシェ出店時には「出店者自身がコントロールできることを確認する」ことを大切に考えます。
マルシェ出店前に出店者が確認したいこと
マルシェ出店前には、保険だけでなく、出店者自身ができる準備を確認しておきましょう。
テント・什器・看板の安全確認
- テントの重りは十分か。
- 什器がぐらついていないか。
- 看板が倒れやすくないか。
- 商品を高く積みすぎていないか。
- 通路にはみ出していないか。
「かわいく見せる」ことも大切ですが、その前に「安全に販売できる」ことが大前提です。
▶︎関連記事:はじめてのマルシェ出店ガイド|持ち物チェックリスト・準備・当日の流れ
会場ルールの確認
- 屋外か屋内か。
- テントの重りの指定はあるか。
- 火気や電源の使用はできるか。
- 床の養生が必要か。
- 雨天や強風時の判断はどうなるか。
出店先によってルールは異なります。
申し込み時や出店前の案内を確認しておきましょう。
保存方法・温度管理の確認
お菓子販売では、保存方法も大切です。
常温品なのか、冷蔵品なのか、冷凍品なのか。
食品表示ラベルに「要冷蔵」「要冷凍」と書いた場合、販売時もその保存方法を守る必要があります。
冷蔵・冷凍品を扱う場合は、保冷バッグ、保冷剤、クーラーボックス、販売時間、気温なども考えて準備しましょう。
食品表示ラベルの確認
マルシェでは、お客様と直接お話ししながら販売できます。
ただし、直接説明できるからといって、食品表示ラベルを省略して良いわけではありません。
包装して販売するお菓子には、名称、原材料名、内容量、保存方法、賞味期限、製造者など、必要な表示があります。
アレルギー表示も大切です。
出店前に、食品表示ラベルの内容も確認しておきましょう。
▶︎関連記事:食品表示ラベルの書き方|お菓子販売初心者向け完全ガイド
保険会社さん・代理店さんに相談する前に整理すること
保険会社さんや代理店さんに相談する前に、自分の出店内容を整理しておくとスムーズです。
たとえば、次の内容をメモしておきましょう。
- 何を販売するのか
- どこで製造するのか
- 保健所の許可がある厨房か
- マルシェ出店は年に何回くらいあるか
- 屋外出店か、屋内出店か
- テントを自分で設置するか
- 什器や看板を持ち込むか
- 冷蔵、冷凍品を扱うか
- 通販や委託販売も行うか
- 年間売上の見込みはいくらか
「お菓子をマルシェで売ります」だけでなく、
「菓子製造業許可のあるシェアキッチンで焼菓子を作り、月1回屋外マルシェにテント出店します」
というように、製造場所、販売方法、出店頻度まで伝えると、必要な保険を判断してもらいやすくなります。
▶︎シェアキッチンで作ったお菓子は販売できる?通販・マルシェ・委託販売の注意点
保険料の一例|マルシェ出店がある場合
参考までに、以前、年間100万円程度の売上で、マルシェ出店がある小さなお菓子屋さんを想定して相談した時の一例です。
マルシェ出店がある場合は、PL保険に加えて、施設所有管理者賠償責任保険もあわせて確認しました。
生産物賠償責任保険(PL保険)
年間保険料 1,050円
内訳
対人のみ
1名保険金額 5,000万円
1事故保険金額 1億円
総保険金額 1億円
施設所有管理者賠償責任保険
年間保険料 150円
内訳
共通保険金額CSL
(対人対物合わせて) 1億円
年間合計 1,200円
まとめ|マルシェ保険は出店時の自衛策として考えよう
マルシェ出店では、販売したお菓子そのものの事故だけでなく、テント、什器、看板、会場設備などにまつわる事故も考えられます。
PL保険は、主に製造・販売した商品による食中毒や異物混入に備える保険です。
一方で、マルシェ出店時のテントや什器、会場設備にまつわる事故は、施設所有管理者賠償責任保険などを確認することになります。
主催者保険については、もし主催者さんが入ってくださっているなら、それはそれで安心材料のひとつです。
ただし、出店者は出店者で、自衛策として考えることが大切です。
テントの重り、什器の安定、会場ルール、保存方法、食品表示ラベル、温度管理など、自分でコントロールできることを確認しておきましょう。
怖がって止まるのではなく、備えて、安心して一歩進む。
マルシェ出店も、販売準備のひとつとして保険の考え方を確認しておくと安心です。
マルシェ出店は、商品づくりだけでなく、製造場所、保健所の許可、食品表示ラベル、保存方法、当日の設営、保険の確認など、準備することがたくさんあります。
「自分の場合、どんな保険を確認すればいい?」
「シェアキッチンで作ったお菓子をマルシェで販売したい」
「出店前に、抜け漏れがないか不安」
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