「マルシェに出店するけれど、どうやってお菓子を並べればいいの?」
「机に並べるだけだと、なんだか地味に見えてしまう……」

初めてのマルシェ出店では、お菓子の味には自信があっても、それをどう魅力的に見せるかで悩む方は多いと思います。

マルシェでは、お客様はお菓子そのものより先に、遠目から見たお店の雰囲気で「近づくかどうか」を判断しています。

つまり、マルシェの現地では「ジャケ買い」が起こります。

どれだけ美味しいお菓子を作っても、まず足を止めてもらえなければ、その魅力は伝わりません。

この記事では、お菓子が選ばれるマルシェのディスプレイの作り方を、初心者さん向けに整理します。

マルシェでは「現地はジャケ買い」と考える

マルシェでは、たくさんのお店が並びます。

お客様は、すべてのお店をじっくり見て、ひとつひとつの商品説明を読んでから選ぶわけではありません。

遠目から見て、

「あ、かわいい」
「なんかおしゃれ」
「気になる」
「見てみたい」

と思ったお店に近づきます。

そのため、マルシェのディスプレイでは、商品そのものだけでなく、売り場全体の雰囲気が大切です。

お客様は、お菓子自体より先に、遠目から見たお店の雰囲気で、近づくかどうかを判断しています。

売れているお店にある3つの特性

売れているお店には、次の3つの特性のうち、少なくとも1つ以上があります。

稀少性

稀少性とは、他にない、または少ないものがあることです。

  • 無農薬の食材を使っている
  • アレルギー対応のお菓子がある
  • そのマルシェでは珍しい商品を扱っている
  • その場で食べられるものがある など

たとえば、焼き菓子のお店が多いマルシェの中で、1組だけコーヒー屋さんが出ていたら、それだけで目立ちます。

また、サンドイッチやお弁当など、その場で食べられるものも、相対的に稀少性が出ることがあります。

話題性

話題性とは、すでに安心感や期待感があることです。

  • すでに実店舗があって人気店である
  • すでに人気の出店者さんである
  • ベーグル専門店、チーズケーキ専門店、マフィン専門店など、専門店としてわかりやすい など

「専門店」とわかるだけで、お客様は選びやすくなります。

何でもあります、よりも、「このお菓子ならこのお店」と伝わる方が、売り場としても覚えてもらいやすくなります。

世界観

世界観とは、パッと見た時の雰囲気・お店全体から伝わる印象です。

  • かわいい
  • おしゃれ
  • ナチュラル
  • 高級感がある
  • シンプル
  • あたたかい
  • レトロ
  • ギフト向き など

世界観は、商品写真やパッケージだけでなく、マルシェ当日のテーブルクロス、POP、什器、小物、看板、並べ方によっても伝わります。

「このお店、なんか好き」と思ってもらえる売り場を作ることが、マルシェではとても大切です。

机に並べるだけだと、のっぺり見える

マルシェで貸し出される机や、自分で持っていく折りたたみテーブルは、床から70cmくらいの高さになることが多いです。

そこに商品を平らに並べるだけだと、商品が机の高さの位置にのっぺりと並ぶことになります。

もちろん、並べている本人からは商品がよく見えます。

しかし、お客様は少し離れたところから歩いてきます。

遠目から見た時に、机の上に商品が低く並んでいるだけだと、視界に入りにくいことがあります。

マルシェのディスプレイで気をつけること
  • 高さを出す
  • 動きをつける

ディスプレイの鉄則1|高さを出す

まず意識したいのは、高さを出すことです。

商品を机に平置きするだけでなく、ショーケース、ラック、木箱、リンゴ箱などを使って、商品の高さを上げます。

商品の位置が少し高くなるだけで、通りがかったお客様の目に留まりやすくなります。

  • 木箱の上に商品を置く
  • 小さなラックに焼き菓子を並べる
  • ショーケースを置く
  • 高さの違う台を組み合わせる
  • 奥の商品を少し高くする など

高さを出すと、売り場に立体感が出ます。

全部が同じ高さで横並びになっているよりも、目線が動きやすくなり、お客様が商品を見つけやすくなります。

ただし、高く積みすぎると倒れやすくなります。

屋外マルシェでは、風でPOPや商品が倒れることもあります。

高さを出す時は、安定感も一緒に確認しましょう。

ディスプレイの鉄則2|動きをつける

次に意識したいのが、動きをつけることです。

同じ商品をただ一直線に並べるだけだと、少し単調に見えてしまいます。

ビンに入れる、バットに入れる、カゴに入れる、トレイに置くなどして、並べ方に表情をつけてあげましょう。

  • クッキーをカゴに入れる
  • 個包装の焼き菓子を木箱に立てて入れる
  • ギフトセットの見本を少し斜めに置く
  • 人気商品を手前に置く
  • 色や形が違う商品を交互に並べる
  • おすすめ商品だけPOPを立てる など

「きれいに並べる」だけでなく、「見ていて楽しい売り場にする」と考えると、ディスプレイが作りやすくなります。

事前にディスプレイを絵で描いてみる

ディスプレイは、現地に着いてから考えると、かなり慌てます。

商品もある、テーブルもある、クロスもある。

だけど、

「どこに何を置く?」
「POPはどこ?」
「看板はどうする?」
「お客様から見てどう見える?」

と考えているうちに、あっという間に販売開始時間になります。

そのため、出店前にディスプレイを絵で描いてみることをおすすめします。

絵の上手い下手は問いません。

「これくらいのテーブルがあって、こういうクロスを敷いて、ここにこれを配置して……」

という感じで描ければOKです。

イメージ画像の視点
  • テーブルの上から見た図
  • お客様から見た図

上から見た図では、商品や什器の配置がわかります。

お客様から見た図では、遠目からどんな雰囲気に見えるかがわかります。

これが絵で描けない場合は、頭の中でまだ想像しきれていない可能性があります。

反対に、簡単でも絵で描けるなら、当日も動きやすくなります。

ディスプレイに必要な基本アイテム

マルシェのディスプレイでは、商品を並べるための基本アイテムも準備しておきましょう。

  • 出店テーブル
  • テーブルクロス
  • 商品POP
  • プライスカード
  • メニュー表
  • POPスタンド
  • クリップ
  • あれば看板
  • ディスプレイ小物
  • 高さを出すための箱やラック
  • ショーケース
  • カゴやトレイ

ただし、最初からすべてを揃える必要はありません。

最初は、テーブルクロス、プライスカード、商品POP、カゴや箱など、最低限のものから始めても大丈夫です。

大切なのは、商品をただ置くだけで終わらせず、お客様からどう見えるかを考えることです。

看板で「何のお店か」を遠くから伝える

マルシェでは、遠くから見て「何のお店か」がわかることも大切です。

お菓子が並んでいても、近づかないと何のお店かわからない場合、お客様が通り過ぎてしまうことがあります。

看板に書くこと
  • 屋号
  • 何のお店か
  • 今日販売しているもの など

たとえば、

「米粉の焼き菓子」
「チーズケーキ専門店」
「季節のマフィン」
「グルテンフリーのおやつ」

など、お客様が一瞬で理解できる言葉を入れるとわかりやすいです。

看板は大きなものでなくても大丈夫です。

A4サイズのPOPや、小さな黒板、卓上看板でも、あるのとないのでは印象が変わります。

世界観は「商品・什器・言葉」をそろえる

ディスプレイで世界観を作る時は、商品だけでなく、什器や言葉もそろえると伝わりやすくなります。

たとえば、ナチュラルでやさしい雰囲気のお菓子なら、木箱、生成りのクロス、手書き風のPOPが合うかもしれません。

高級感のあるギフト向けのお菓子なら、落ち着いた色のクロス、シンプルなカード、余白のある並べ方が合うかもしれません。

元気でカラフルなお菓子なら、明るい色の小物や楽しい言葉づかいが合うかもしれません。

大切なのは、「何となくかわいいものを集める」ことではありません。

自分のお菓子を、どんな人に、どんな気持ちで選んでほしいのか。

それに合わせて、売り場全体を整えていきましょう。

当日設営したら写真を撮る

ディスプレイが完成したら、販売開始前に写真を撮っておきましょう。

設営直後は、商品もきれいに並び、POPも整っていて、売り場写真を撮るのにぴったりのタイミングです。

写真の活用先
  • SNS投稿
  • 次回出店のお知らせ
  • 出店実績
  • 改善メモ
  • 今後の申し込み時の資料

また、あとから見返すと、

・商品が見えにくかった
・POPが小さかった
・色がごちゃついていた
・高さが足りなかった
・看板が目立っていなかった

など、改善点も見えてきます。

マルシェ出店は、1回ごとに売り場を育てていくものです。

毎回写真を撮って、少しずつ改善していきましょう。

まとめ|ディスプレイは、お客様に足を止めてもらうための準備

マルシェのディスプレイは、お菓子の魅力を伝えるための大切な売り場づくりです。

お客様は、お菓子そのものより先に、遠目から見たお店の雰囲気で、近づくかどうかを判断しています。

机に商品を並べるだけではなく、高さを出し、動きをつけ、POPや看板で選びやすくすることが大切です。

当日慌てないために、事前にディスプレイを絵で描いておくのもおすすめです。

上から見た図、お客様から見た図を描いておくと、当日の設営がスムーズになります。

マルシェは、現地での「ジャケ買い」も起こる場所です。

お客様が「あ、素敵」と足を止めてくれる瞬間を想像しながら、楽しんで売り場を作っていきましょう。

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yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!