・食品表示ラベル、必要なことはわかるけど、どうやって作ったら良いの😱
・オススメのラベルライターを買ってはみたけど使い方がわからない😭
・印刷してみたけどなんだか文字が赤い💦どうしたら良いの💦
というあなたへ、ラベルライター(ブラザー QL-800)の使い方をまとめました!本記事を読んでいただくと、ラベルに書く内容がわかり、データを作成して、ご自身で印刷できるようになります!
目次
動画で見たい方はこちら
参考図書:食品表示検定 初級テキスト
本題の前に超おすすめ本を紹介させてください!1冊あると本当に便利です!
そもそも食品表示ラベルとは?
市販のお菓子を買う時、裏面を見て、「ああ〜、こんなにカロリー高いんだぁ…だけど買っちゃお」と思ったこと、ありませんか?
ずばり、そのラベルです。
旧法から新法に変わりました

元々は、
・JAS法
・健康増進法
・食品衛生法
というそれぞれ異なる法律があり、法律ごとに記載内容が異なっていました。
それぞれの法律で記載内容が異なってややこしい、ということで、2015年、記載内容についてまとめた食品表示法ができました。
例:食品表示ラベル

食品表示ラベルは、ある程度の”正解”があって、同じレシピで10人ラベルを作ったら、ある程度同じラベルが10個出来上がります。しかし、多少”書き方のバリエーション”があるので、上図に提示した書き方と異なる書き方も可能です。
食品表示ラベル作成の3ステップ
- 記載内容を考える
(栄養計算/栄養成分表示についてはこちら) - データを作る◀︎このページはココ
- 印刷して完成!
大丈夫です、本記事を読んで、順番に取り組んでいただければ作れるようになりますので、くじけずいきましょう!
食品表示ラベルの記載内容

- 名称
- 原材料名
- 内容量
- 保存方法
- 賞味期限/消費期限
- 製造者/製造所
本ページのメインはラベルライターの使い方ではあるのですが、よくご質問をいただく原材料名について、復習もかねて見ていきましょうか^^
原材料名の演習問題
次のレシピのお菓子のラベルの原材料名を書いてみましょう。
クッキー 40個分
・無塩バター 110g
・粉糖 25g
・くるみ 45g
・薄力粉 130g
・バニラオイル 少々
+仕上げの粉糖 適量
原材料名欄を考えるステップ
- 食材と食品添加物にわける。
- 食材を重さ順に並べる。
- 一番重たい食材の原料原産地を考える。
- 添加物があれば、スラッシュの後ろに書く。
- アレルギー表示を考える。
❶食材と食品添加物にわける
今回使う食材でいうとバニラオイルが食品添加物なので、原材料名の欄を考える時にはよけておきましょう。
クッキー 40個分
・無塩バター 110g
・粉糖 25g
・くるみ 45g
・薄力粉 130g
食品添加物:バニラオイル 少々
+仕上げの粉糖 適量
❷食材を重さ順に並べる
クッキー 40個分
多い
・薄力粉 130g
・無塩バター 110g
・くるみ 45g
・粉糖 25g+仕上げ
少ない
・食品添加物 バニラオイル 少々
❸一番重たい食材の原料原産地を考える
今回は、薄力粉が一番重たく、薄力粉と同じグラムの食材が他には存在しないので、薄力粉の原料原産地表示を考えます。
クッキー 40個分
・薄力粉 130g→(国内製造)
・無塩バター 110g
・くるみ 45g
・粉糖 25g+仕上げ
・食品添加物 バニラオイル 少々
※今回は仕上げの粉糖を20g以内として考えました。
❹添加物があればスラッシュの後ろに書く
個人的にはバニラオイル、バニラエッセンスの方が一般消費者の方にはわかりやすいと思うのですが…ベーキングパウダーは「ベーキングパウダー」と記載できても、バニラオイルやバニラエッセンスは香料という文字に変身します。。。
クッキー 40個分
・薄力粉 130g→(国内製造)
・無塩バター 110g
・くるみ 45g
・粉糖 25g+仕上げ
/香料
❺アレルギー表示を考える
(一部に〇〇を含む)という表記をよく見かけますね。そう、それです。
小さなお菓子屋さんのアレルギー表示の最適解は、表示が義務の食材のみ(特定原材料)、一括表示で書く、だと考えています。
記載が義務の食材は、2025年5月時点ではえび・カニ・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の8品目です。(この食材群、増えたり減ったりします^^;)

今回のレシピでは、
・薄力粉→小麦
・無塩バター→乳
・くるみ
の3食材が義務表示のアレルゲンなので、次のようになります。
クッキー 40個分
⭕️・薄力粉 130g→(国内製造)
⭕️・無塩バター 110g
⭕️・くるみ 45g
・粉糖 25g+仕上げ
/香料
、(一部に小麦・乳成分・くるみを含む)
ラベル完成!
小麦粉(国内製造)、無塩バター、くるみ、粉糖/香料、(一部に小麦・乳成分・くるみを含む)
印刷方法を考える
作ったラベルデータの印刷方法を考えていきます。
- パッケージに直接印刷する
- シールに印刷して貼る
・ラベル屋さん
・ラベルライター
メリット/デメリットをまとめてみました▼
印刷方法 | メリット | デメリット |
①パッケージに直接印刷 | 見た目すっきり⭕️ | パッケージをする(付ける)瞬間には、食品表示ラベル情報ができあがっている必要がある💦 |
②シールに印刷して貼る | 包装するという作業と、食品表示ラベルを作成する、貼る、という作業を分けられる⭕️ | 特になし? |
❶パッケージに直接印刷する

例えば、【画像左】袋の上に紙タグ(ペーパータグ)をつけて、表面は店名や商品名、裏面にラベルを印刷したり(エクセルで作っていました!表面か裏面か、どちらかをテキストボックスで打ち込んで、180度回転させると、タグとして折り返した時に読める向きになります)、
【画像右】お弁当を作って販売している時、お弁当箱にくるりと巻いていた帯です。お弁当はお菓子やパンよりも「その場で変わる要素(しょうゆ入れる予定なかったけど、入れた方が美味しそうだ、とか、ごまを入れる予定はなかったけど、入れた方が美味しそうだ、など)」があるので、作り終わらないとラベル情報が確定しなかった、という背景があります(大量調理になると事前に用意していない食材は入れようがないので、当日作っていてその日の塩梅で味を変更できてしまう数量だったとも言えます)。
なので、お弁当を作って、冷ましている間に、ラベル情報をだだだだっとパソコンで打ち込んで、A4用紙に4帯分のデータを印刷して、がーっと印刷して、じゃじゃじゃっとカッターで切って、冷めたお弁当にくるりと巻いてテープで止める、ということをやっていました。
パッケージとラベル情報を一体化させることのデメリットは、包装とラベル作りの作業を分けることができず、「包装する時にはラベルができあがっている必要がある」です。シーラーで密封する商品なら、密封する作業までは一旦完了できますが、帯を巻いて完成、という形だと、食品表示ラベルの情報が完成しないとパッケージが完成しない、となります。
❷シールに印刷して貼る
- パソコンでデータを作る
- プリンタで印刷する
・A4プリンタで印刷する→エーワン社ラベル屋さん等
・専用プリンタで印刷する→ラベルライター(ラベルプリンタ)
メリット/デメリットや特徴をまとめてみました▼
A4プリンタ | ラベルライター | |
必要なもの | ・パソコン ・A4プリンタ(約9,000円〜) ⭕️初期費用が抑えやすい | ・パソコン ・ラベルライター/ラベルプリンタ(約17,000円〜) ❌初期費用がかかる |
印刷方式 | インクジェット ⭕️光に当たっても文字が色褪せない。 ❌インク代が安くない、、、 | 感熱紙(レシートのような紙) ⭕️別途インクは不要。 ❌光に当たると文字が色褪せる。 |
データ作りやサイズ調整 | ❌プレカット(事前に切られたサイズ)に合わせて作るので、ジャストサイズではない場合が多い。 🔺ノーカット(切られていないA4全面シール)もありますが、手でカットしたサイズだと剥離紙がはがしにくい😢 | ⭕️ロール紙(切られていない、ながーい用紙)ならサイズ調整が楽。たくさん打ち込んだら自動的に長くなり、打ち込む内容が少なければ自動的に短いシールになる。 |
印刷の小回り | ❌A4用紙そのものに印刷するので、1枚単位で印刷しにくい。 | ⭕️1枚単位で印刷可能。 |
オススメのステップとしては、初めての出店/販売や、どれくらい活動を続けるかわからない場合は、
- 最初のうちはラベル屋さんで作る
- 活動頻度や枚数が増えてきて、不便を感じてきたらラベルライターを検討する
という流れが良いんじゃないかなと思ってます(ちなみに、私自身は販売メインで活動している時はラベル屋さんで作って、作り手さんのサポートをするようになってからラベルライターを購入しまして、「すごい便利!もっと早く買っておけば良かった!」と思いました笑
オススメのラベルライターと用紙
ブラザー QL-800

62mmロール紙 DK-2205

6.2cm幅(62mm)の、切れてない用紙です。ラベルライター買う時におまけの用紙を選べるようでしたら、DK-2205がオススメです。
印刷前の用紙も、印刷後の用紙も直射日光を避けて保管しましょう!
→ラベルライターの用紙はレシートと同じ感熱紙なので長く光に当たると印刷した文字が消えてしまいます💦
いろいろシールを見ていくと、白黒シールと赤黒シールに出会います。
結論、オススメは普通の白黒シールです。
理由は、赤黒シールで白黒印刷すると、赤みがかかった黒文字になるので、絶対に赤色を使わなければならない事情がなければ、白黒シールが無難です。

パソコンがUSB-タイプCしか刺さらない時:変換アダプタ
Windowsパソコンは今でもUSB-A(昔からある、1cmくらい差し口がある、平たいUSB)が刺さるものが多い印象ですが、Macは基本的にUSB-Aはなく、タイプCのみ刺さる仕様です。
なので、USBのタイプAの差し口をタイプCに変換する必要があります。
心配な場合は、プリンタのケーブルを家電量販店に持って行って、「このケーブルで、プリンタをパソコンに繋ぎたいのですが、パソコンの差し込み口がタイプCなので、変換ケーブルを探しています。ありますか?」と店員さんにお尋ねいただくと良いです^^
ラベルライターで作るステップ
- 専用ソフト(P-touch editor)をインターネットでダウンロードしてソフトを開く。
- 表を入れる。
- 文字を全部打ち込む。
- 文字の大きさを8ポイントにする。
- 印刷はいきなり大量に印刷するのではなく、1枚印刷してちゃんとできているかチェックする。
- 必要枚数印刷する。
実際の画面操作については、動画の方がわかりやすいかと…▼
データ作成時のルール
ラベル作成時、いくつか(いくつも?)ルールがあります。
原則、文字のサイズは8ポイント以上
8ポイント(8pt)、あなどるなかれ。意外と大きいです、、、
包装の袋が小さい場合は、5.5ポイントまで小さくできますが、
袋が小さい
=袋の面積が150平方cmに満たない場合
=袋を切り開いて150平方cmに満たない場合
お菓子を作る私たちは
シールを貼る面積=裏面
と考えがちですが、保健所は
シールを貼る面積=表示可能面積=表も裏も含む
と考えます^^;
なので、袋を切り開いて1枚ぺらの状態の面積を測るわけですが…例えば、切り開いて10cm×15cmになると、面積は150平方cmです。切り開いて10cm×15cmのものは、袋状にすると10cm×7cmなので、そんなに大きくないといいますか、シェアキッチンや販売講座の生徒さんのお菓子など、いろいろな個包装お菓子を拝見してきましたが、たいていの袋は文字サイズ8ポイント以上の袋サイズでした^^;
手書きはNGと考えた方が無難
もともとは「手書きNG」とお伝えしていましたが、改めて保健所に確認したところ、手書きNGではありませんでした。
ただし、「手書き不可ではありませんが、文字の大きさが決められているので、そのサイズが守られていて、読みやすければ良いです」とのことでした。
個人的な意見としては、【ラベル作りは落ち度をなくす作業】と考えているので、例えば、賞味期限など後から追記したい場合も、そもそもデータ上で打ち込んで印刷してしまうか、もしくは賞味期限を空欄で印刷した場合も手書きではなく日付スタンプ等が無難だよなぁと考えています。
栄養成分表示を省略できる場合がありますが、手元では計算しておきましょう
栄養成分表示、基本は記載義務です。ですが、製造者が小規模事業者の場合は記載を省略できます。
※お客様からお問い合わせをいただいた時は、速やかに答えられるよう準備しておきましょう。
※小規模事業者であっても催事やスーパーに卸すなど、流通が小規模でない場合は記載が必要です。


印刷して、完成!

まとめ
いかがでしたか?
「ラベルプリンタに興味はあるんだけど、実際はどうなの?」
「ラベルプリンタ、買ったは良いもののよくわからなくてしまい込まれてます><」
というお声をちょこちょこいただくので、ラベルプリンタの使い方を解説してみました!
最初はデータ作りなど手間取ることもあるかと思いますが、やっていくうちに慣れていきますし、心配でしたら、ラベルプリンタを買う前に編集ソフトP-touch Editorをダウンロードしてデータ作りを先にトライしてみても良いですね!
ラベル作りはやらなければならないことですが、100点満点、100%完璧なラベルを作って貼ったとしても、「お菓子が10倍売れる」という話題ではないので、お客様のワクワクや満足度に貢献する部分にエネルギーを注ぐべく、ラベル作りはサクッとやっていきましょ^^
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