「シェアキッチンで作ったお菓子って、販売していいの?」
「レンタルキッチンでパンを作って、マルシェや通販で販売できますか?」
「ラベルは必要?食品衛生責任者は必要?責任は誰になるの?」

最近、このようなご質問を多くいただきます。

結論から言うと、シェアキッチンで製造したパンやお菓子は、条件が整えば販売できます。

たとえば、イベント販売、マルシェ出店、通販での発送、委託販売などにつなげることも可能です。

ただし、シェアキッチンならどこでも何でも販売できる、というわけではありません。

施設が取得している許可、食品衛生責任者の扱い、食品表示ラベル、包装、販売方法、保険、責任の所在など、確認しておきたいことがあります。

この記事では、実際にいただいたご質問をもとに、シェアキッチンで作ったお菓子やパンを販売する時のルールと注意点を、初心者さん向けにわかりやすく解説します。

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結論:シェアキッチンで作ったお菓子は販売できる

結論から言うと、シェアキッチンで製造したパンやお菓子は販売できます。

すたーとあっぷきっちんの場合

菓子製造業許可(+飲食店営業許可)のあるシェアキッチンなので、すたーとあっぷきっちんで作っていただいたパンやお菓子を販売していただくことが可能です。

  • マルシェでの販売
  • 通販

なども可能です。

ただし、これは「どのシェアキッチンでも、何を作っても、どんな売り方でもOK」という意味ではありません。

大切なのは、次の3つです。

  • そのシェアキッチンが、何の営業許可を持っているか
  • 自分が作りたい商品が、その許可で作れるか
  • 販売方法に合った包装・ラベル・保管・販売ルールを守れるか

シェアキッチンで作ったものを販売したい場合は、まず「そのキッチンで、自分の商品を作って販売できるか」を確認しましょう。

ただし、販売できるかは「施設の許可」と「販売方法」による

シェアキッチンで販売用のお菓子を作れるかどうかは、その施設が取得している許可によって変わります。

同じ「シェアキッチン」でも、

  • 菓子製造業許可がある
  • 飲食店営業許可がある
  • そうざい製造業許可がある
  • 料理教室やイベント利用が中心

など、施設ごとに条件が違います。

「シェアキッチンを借りたから販売できる」ではなく、その施設の許可で、自分の商品と販売方法が合っているかを見る必要があります。

菓子製造業許可がある場合

焼き菓子、パン、生菓子、洋菓子、和菓子などを販売したい場合は、菓子製造業許可が関わることが多いです。

菓子製造業許可のあるシェアキッチンであれば、施設のルールに沿って製造し、マルシェ、通販、委託販売などにつなげられる可能性があります。

ただし、冷蔵品・冷凍品・チョコレート・クリームを使う商品などは、保存方法や発送方法の確認も必要です。

飲食店営業許可が関わる場合

1dayカフェ、間借りカフェ、店内での提供、イートイン、お弁当販売などは、飲食店営業許可が関わる場合があります。

パンやお菓子を「包装して持ち帰ってもらう」のか、「その場で食べてもらう」のかでも、必要な許可や運用が変わることがあります。

そうざい製造業許可など別許可が必要な場合

おかず、惣菜、惣菜パン、弁当、瓶詰め食品などは、内容によって別の許可が関わる場合があります。

「ベーコンやチーズを使った惣菜パン」なども、保存方法や販売環境、保健所の判断を確認しておくと安心です。

迷ったら、自分で判断せず、シェアキッチン運営者さんや管轄の保健所に確認しましょう。

通販・マルシェ・委託販売で販売する時の注意点

シェアキッチンで作ったお菓子は、条件が整えば、通販・マルシェ・委託販売につなげることができます。

ただし、販売方法ごとに確認すべきことが違います。

通販で販売する場合

通販で販売する場合は、商品をお客様のもとへ発送します。

そのため、

  • 食品表示ラベル
  • 賞味期限または消費期限
  • 保存方法
  • 発送方法
  • 梱包資材
  • 配送中の破損
  • 常温、冷蔵、冷凍の判断

を確認する必要があります。

通販は、作ったその場でお客様に渡すわけではありません。

お客様の手元に届くまでに時間がかかるため、保存方法や配送中の状態まで考えて商品設計する必要があります。

マルシェで販売する場合

マルシェで販売する場合は、イベント主催者や会場のルールも確認しましょう。

特に、

  • 個包装が必要か(基本的には必要)
  • 食品表示ラベルが必要か
  • 常温販売できる商品か
  • 保冷が必要か
  • 販売場所に許可が必要か
  • テーブルやテント、保冷バッグなどを用意するか

を検討・ご自身で判断がつかなければイベント主催者さんに確認します。

夏場の屋外販売について、食品の傷みや売れ行きの問題から、夏の屋外出店をお休みするお店もあります^^;

マルシェは楽しい販売方法ですが、特に夏場は衛生面と保管温度に注意が必要です。

委託販売する場合

委託販売では、カフェ・雑貨店・道の駅・知り合いのお店などに商品を置いてもらうことがあります。

確認したいのは、

  • どこで作った商品なら置けるか
  • 食品表示ラベルの内容
  • 納品時の状態
  • 賞味期限
  • 売れ残りの扱い
  • 販売手数料
  • 責任の所在
  • 保管方法

委託先によっては、営業許可証の写しやPL保険の加入状況を確認されることもあります。

「シェアキッチンで作ったものを委託販売できますか?」と、シェアキッチン側と委託先の両方に確認しておきましょう。

▶︎【PL保険】小さなお菓子屋さんの食の保険

食品衛生責任者は必要?

食品衛生責任者の資格が必要かどうかは、シェアキッチンによります。

すたーとあっぷきっちんの場合、現時点では利用者さんに食品衛生責任者の資格は問いません。ただし、独自の衛生講習を受講していただいたうえで製造していただく形です。

一方で、シェアキッチンによっては、

  • 食品衛生責任者の受講を利用条件としている
  • 事前に試食を提出する必要がある
  • 独自の衛生講習がある
  • 作り手さん自身が許可を取る必要がある

という場合もあります。

食品衛生責任者の講習は、食の学校に行かれたことがない方、具体的には、栄養士・調理師・製菓衛生師など食の資格を持っていない方は、特に聞いていただくと勉強になると思います。

一度、お住まいの地域の保健所さんや食品衛生協会に問い合わせてみると良いです。

▶︎【食品衛生責任者】お菓子の販売に必要な資格をとる方法

ラベルは必要?袋なしで裸で販売できる?

パンは裸で売って、お渡し時に袋に入れて渡せばよいですか?

結論として、シェアキッチンで作ったパンやお菓子を持ち出して販売する場合は、基本的にラベルが必要です。

また、町のパン屋さんのように「裸で陳列して、お客様のお求めに応じて包装する」という販売方法は、シェアキッチンで作って別会場へ持ち出す場合には難しいことが多いです。

製造場所から持ち出すならラベルが必要

ラベル不要の例として、スーパーマーケット内のパン屋さんや、町のケーキ屋さんのように、同じ店内の奥で製造し、その場で販売しているケースがあります。

この場合は、販売時にラベルを省略できることがあります。

一方で、レンタルキッチンやシェアキッチンで作った商品を、別の場所へ持ち出して販売する場合は、食品表示ラベルが必要になります。

基本的に個包装での販売になる

パンを裸で販売することについても、注意が必要です。

製造場所から持ち出す場合は、包装して持ち出すことになります。

そのため、町のパン屋さんのように、裸で陳列して、お客様のお求めに応じて袋に入れるという販売方法は、販売場所にも菓子製造業許可や飲食店営業許可を求められる可能性があり、多くのイベント会場や販売場所では難しいと予想します。

できること・できないこと、やりたいことができるとは限らない現実があります。

製造者・製造所の書き方は施設と保健所に確認する

食品表示ラベルには、製造者や製造所の記載が必要になります。

すたーとあっぷきっちんの場合、管轄の保健所さんに問い合わせたところ、

  • 製造者として作り手さんのお名前とご住所
  • 欄外に製造所として作り手さんのお名前、レンタルキッチンの名称、レンタルキッチンの住所

という記載とのことでした。

ただし、これはあくまで一例です。

許可の取り方や、保健所の判断によって、ラベルの表示は分岐します。

たとえば、

  • シェアキッチン運営者名義の許可で作り手さんが活動する場合
  • 作り手さん自身が自分名義の許可を取る場合
  • 製造者として誰を書くか
  • 販売者として誰を書くか
  • 製造所をどのように記載するか

は、施設と保健所の判断によって異なります。

作り手さん側だけで悩んでも答えが出にくい話題なので、気になるシェアキッチンがあれば、見学時に聞いてみましょう。

食中毒などが起きた時の責任と保険

シェアキッチンで販売用のお菓子を作る場合、食中毒や異物混入など、万が一の事故についても考えておく必要があります。

もちろん、事故が起きないように衛生管理をすることが大前提です。

ただ、もし何か起きた時に、誰がどこまで責任を負うのかは、許可名義や利用規約、販売方法によって変わります。

行政上の責任は許可名義者に関わる場合がある

実体験のない、想像の域を出ない回答にはなりますが、食の事故など何か起こってしまった場合、行政処分を受けるとしたら、許可をおろしてもらっているシェアキッチン運営者になる可能性があると認識しています。

ただし、これは許可名義や契約内容、事故の内容によって変わる可能性があります。

必ず利用先のシェアキッチンの運営ルールや利用規約を確認しましょう。

利用規約や契約書を確認する

シェアキッチンによっては、利用規約に署名する場合があります。

すたーとあっぷきっちんでも利用規約に署名をいただく形ですが、実際のところ、まだ食の事故の経験がないため、ご利用規約や保険がどこまで有効なものなのかは未知数、という気持ちも正直なところです。

だからこそ、

  • 利用規約はあるか
  • 事故が起きた時の対応はどうなるか
  • 作り手さん側で保険に入る必要があるか
  • 販売先から保険加入を求められるか

を確認しておくと安心です。

PL保険・施設賠償も検討する

お菓子やパンを販売する場合は、PL保険の加入も選択肢になります。

PL保険は、商品による食中毒や異物混入など、万が一の事故に備える保険です。

マルシェ出店がある場合は、施設賠償も確認すると安心です。

▶︎【PL保険】小さなお菓子屋さんの食の保険

夏場・屋外販売・冷蔵冷凍品の注意点

パンや焼き菓子は常温販売できるものも多いですが、夏場や屋外販売では注意が必要です。

マルシェ自体も、夏場は日中開催ではなく、夕方〜夜に開催時間を変更する場合があります。

冷蔵・冷凍品の場合は、テーブルの上には見本だけを出し、在庫は発泡スチロールや保冷バッグに保冷剤とともに入れておき、売れたら保冷バッグから出してお渡しする方法もあります。

大切なのは、「売れるかどうか」だけでなく、安全に販売できるかです。

不安な商品は、夏場の屋外販売を避ける、販売時間を短くする、保冷体制を整える、そもそも販売商品を変える、という判断も必要です。

迷ったらシェアキッチンと保健所に確認しよう

「この商品は販売できるのかな?」
「この販売方法で大丈夫かな?」
「ラベルの書き方はこれで合っているかな?」

こうした疑問は、作り手さん側だけで考えていても答えが出ない場合が多いです。

管轄の保健所の考えをもとに、シェアキッチン側が運用ルールを決めている場合もあります。

そのため、迷ったら、

  • 利用予定のシェアキッチン
  • 販売予定のイベント主催者
  • 必要に応じて管轄の保健所

に確認しましょう。

特に、ラベル・許可名義・販売できる範囲・保管温度・責任の所在は、施設や自治体によって判断が変わりやすい部分です。

「たぶん大丈夫」ではなく、事前に確認しておくことが安心です。

よくある質問

Q1. シェアキッチンで作ったお菓子は通販できますか?

A. 条件が整えば可能です。

ただし、食品表示ラベル、賞味期限、保存方法、梱包資材、発送方法の確認が必要です。

また、冷蔵・冷凍品の場合は、どこまでを製造場所で行う必要があるかも確認しましょう。

Q2. シェアキッチンで作ったパンをマルシェで売れますか?

A. 施設の許可とマルシェのルールが合っていれば可能です。

ただし、製造場所から持ち出して販売する場合は、基本的に個包装と食品表示ラベルが必要になります。

裸で陳列して、お客様のお求めに応じて包装する販売方法は難しいことが多いです。

Q3. 食品衛生責任者がなくてもシェアキッチンは使えますか?

A. 施設によります。

食品衛生責任者を必須にしている施設もあれば、独自の衛生講習で利用可能としている施設もあります。

気になるシェアキッチンがあれば、問い合わせ時に確認しましょう。

Q4. ラベルにはシェアキッチンの名前を書きますか?

A. 許可名義や保健所の判断によって変わります。

作り手さんの名前と住所、シェアキッチンの名称と住所、販売者、製造者、製造所など、どのように記載するかは施設ごとに確認が必要です。

Q5. 夏の屋外マルシェでパンやお菓子は売れますか?

A. 売れるかどうかだけでなく、食品の安全性を考える必要があります。

夏場は販売をお休みするお店もあります。冷蔵・冷凍品は、見本だけ出して在庫は保冷バッグに入れるなど、温度管理を工夫しましょう。

まとめ

シェアキッチンで作ったパンやお菓子は、条件が整えば販売できます。

イベント販売、マルシェ出店、通販、委託販売などにつなげることも可能です。

ただし、確認すべきことはたくさんあります。

  • その施設に必要な許可があるか
  • 自分の商品を作ってよいか
  • 食品衛生責任者が必要か
  • 食品表示ラベルが必要か
  • お菓子やパンを裸で販売できるか
  • 通販や委託販売に使えるか
  • 夏場や冷蔵冷凍品の販売は安全か
  • 事故が起きた時の責任や保険はどうなるか

「〇〇ってどうなんだろう?」
「〇〇はできるのかな?」

という素朴な疑問は、作り手さん側で考えていても答えが出ない場合が多々あります。

気になるシェアキッチンがあれば、見学を兼ねて行ってみて、直接聞いてみましょう。

販売できるかどうかは、施設の許可・保健所の判断・販売方法によって変わります。

安心してお客様に届けるためにも、事前確認をしながら進めていきましょう。

お菓子販売を始めたい方へ

シェアキッチンで作ったお菓子を販売するには、許可・ラベル・包装・販売方法の確認が必要です。

「自分の場合は販売できる?」
「通販とマルシェ、どちらから始めたら良い?」
「ラベルや保険まで何を準備すれば良い?」

と迷う方は、個別相談で一緒に全体像や現在地を整理しましょう^^

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お菓子を販売したいと思っていても、何から始めたら良いかわからない…という方へ。

シェアキッチンで作ったお菓子は販売できますが、許可・ラベル・販売方法・保険など、確認することはたくさんあります。

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ABOUT ME
yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!