原料原産地表示とは?小麦粉・バター・卵の書き方
食品表示ラベルの原材料名を書いていると、
「小麦粉(国内製造)って何?」
「国内製造と国産は違うの?」
「北海道産小麦を使っている場合はどう書くの?」
「バターや卵にも産地を書くの?」
と、手が止まることはありませんか?
食品表示ラベルの原材料名では、基本的に使った原材料を重さが多い順に書きます。
そして、一番多い原材料には原料原産地表示が必要になります。
この記事では、食品表示ラベルの中でも「原料原産地表示」に絞って、小麦粉・バター・卵の書き方を初心者さん向けに解説していきます。
食品表示ラベル全体の書き方を知りたい方は、先にこちらの記事をご覧ください。
なお、食品表示は法律に関わる大切な部分です。この記事では基本の考え方をまとめますが、実際に販売する際は、ご利用先のシェアキッチンさんや、製造場所を管轄する保健所さんに確認しながら進めてください。
目次
原料原産地表示とは?
原料原産地表示とは、簡単にいうと、その食品に使われている主な原材料がどこで作られたものなのか、またはどこで製造されたものなのかを表示することです。
国内で製造された加工食品は、原則として原料原産地表示の対象になります。
消費者庁の食品表示ガイドでも、国内で製造した全ての加工食品が原料原産地表示の対象になると案内されています。
(参考:消費者庁 早わかり食品表示ガイド PDFの18ページ)
お菓子でいうと、クッキー、パウンドケーキ、マフィン、スコーンなども、原材料名を書く時に原料原産地表示が関係してきます。
ただ、最初から全部の材料に産地を書くわけではありません。
まずは、「どの原材料に原料原産地表示が必要なのか」を整理していきましょう。
原料原産地表示はどの原材料に必要?
原材料名では、基本的に使用量が多い順に原材料を書きます。
そのうえで、一番多く使っている原材料について、原料原産地を表示します。
例えば、小麦粉が一番多い原材料であれば、
小麦粉(国内製造)
となります。
ここで初心者さんが混乱しやすいのが、
- 国内製造?
- 国産?
- 北海道産小麦?
- 北海道産小麦粉?
このあたりです。
順番に見ていきましょう。
小麦粉(国内製造)の意味
たとえば、
小麦粉(国内製造)
という表記です。
これは小麦粉が国内で製造されたという意味です。
ここで注意したいのは、小麦そのものが国産という意味ではないことです。
つまり、
小麦粉(国内製造)
と書いてあっても、その小麦粉の原料である小麦が日本産とは限りません。
国内で製粉された小麦粉という意味です。
「小麦粉(国内製造)」は国内で製粉加工されたことを示し、小麦自体の産地は国産の場合も外国産の場合もありえます。
ここは、かなり混乱しやすいところです^^;
「国内製造」と書いてあるから国産小麦なんだ、とは考えないようにしましょう。
「国内製造」と「国産」は違う
「国内製造」と「国産」は、言葉が似ていますが意味が違います。
- 小麦粉(国内製造)は、国内で小麦粉に加工されたという意味
- 小麦粉(小麦(国産))は、小麦粉の原料である小麦が国産という意味
この違いは、お客様にとっても大切です。
「国産小麦を使っています」と伝えたい場合、実際に国産小麦を使っているか、材料の表示を確認する必要があります。
なんとなく良さそうだから「国産」と書くのではなく、ご自身が使っている材料の表示を確認して書きましょう。
北海道産小麦を強調したい場合
「北海道産小麦であることを強調したい」のであれば、
小麦粉(小麦(北海道産))
と書きます。
カッコが二重になっている不思議な感じがしますが
小麦粉の主原料である小麦の産地が北海道である
という意味合いなので、二重カッコでOKなのです。
小麦粉(小麦(北海道産))、バター、卵、砂糖、食塩/膨張剤、(一部に小麦・乳成分・卵を含む)
▶︎関連記事:ぶどうジュースは「国産」表記できる?食品表示の具体例で解説
バターの原料原産地表示はどう書く?
バターが一番多い原材料になる場合は、
バター(国内製造)
のように書くことがあります。
ここでも考え方は小麦粉と同じです。
バター(国内製造)は、バターが国内で製造されたという意味です。
バターの原料である生乳が国産かどうかを伝えたい場合は、使っているバターの表示を確認して記載します。
卵の原料原産地表示はどう書く?
卵が一番多い原材料になる場合は、
卵(国産)
卵(愛知県産)
のように書くことがあります。
卵は、小麦粉やバターと違って、加工原材料ではなく生鮮食品として考えやすい原材料です。
国産であれば、
卵(国産)
愛知県産とわかっている場合は、
卵(愛知県産)
のように書くことができます。
ただし、ここでも大切なのは「確認できることを書く」ことです。
地元の養鶏場さんから直接仕入れている場合は、産地や表示について確認しやすいかもしれません。
一方で、スーパーや業務用食材店で購入している場合は、商品の表示を見て判断することになります。
国産か国内製造か判断のコツは「畑に落ちているかどうか」
国産か国内製造か迷ったら、
「その状態で畑に落ちてるかどうか」で考えると
大筋ハズれないと考えています。
・畑に落ちている→国産、〇〇産
・畑に落ちてない!加工品だ!→国内製造、〇〇製造
(〇〇は加工場所、加工会社の所在地等)
一番多い原材料が複数ある場合
「一番多い」と書いていますが、
一番多い原材料が1つとは限りません。
たとえば、パウンドケーキで、
- 砂糖100g
- 無塩バター100g
- 薄力粉100g
のように、一番重量の多い食材が複数ある場合です。
この場合、保健所さんの回答としては、すべて同じグラム数なら、食材の記載順番に優先度はないとのことでした。
つまり、任意の順番でOKです。
ただし、原料原産地も全て表示する必要があります。
例
砂糖(国内製造)、無塩バター(国内製造)、小麦粉(国内製造)…
という形です。
このあたりは、実際の商品やレシピによって判断が必要になる場合があります。不安な場合は、ご利用先のシェアキッチンさんや、管轄の保健所さんに確認しましょう。
原料原産地表示でよくあるミス
原料原産地表示でよくあるミスは、次のようなものです。
- 原材料を重さ順に並べていない。
- 一番多い原材料の原料原産地を書き忘れている。
- 小麦粉(国内製造)を国産小麦の意味だと思っている。
- 小麦粉(北海道産小麦)と書いてしまう。
- 確認していないのに「国産」と書いてしまう。
- 一番多い原材料が複数あるのに、1つ分しか原料原産地を書いていない。
- パッケージ表面で「国産小麦使用」と強調しているのに、原材料名との整合性を確認していない。
原料原産地表示は、なんとなく雰囲気で書くと危険です。
「国産」「北海道産」「国内製造」などの言葉は、お客様にとって魅力的に見える言葉でもあります。
だからこそ、実際に使っている原材料の表示を確認して、食品表示として正しい形で書きましょう。
食品表示ラベル全体のよくあるミスは、別記事でまとめます。
複合原材料や食品添加物は別記事で確認しましょう
この記事では、原料原産地表示に絞って解説しました。
ただし、食品表示ラベルの原材料名では、原料原産地以外にもつまずきやすいポイントがあります。
たとえば、
- ベーキングパウダーやバニラエッセンスなどの食品添加物
- 市販のチョコレートやクッキーを使った時の複合原材料
- 一括表示や個別表示などのアレルギー表示
です。
これらを全部この記事で説明すると、かえってわけがわからなくなりやすいので、別記事で詳しく解説しています。
▶︎食品添加物の表示ルール|ベーキングパウダー・バニラエッセンスはどう書く?
▶︎複合原材料とは?チョコレート・市販クッキーを使う時の原材料表示
まとめ:原料原産地表示は「確認できること」を書く
原料原産地表示は、最初はややこしく感じるかもしれません。
特に、
- 小麦粉(国内製造)
- 小麦粉(小麦(北海道産))
- 小麦粉(北海道産小麦)は不可
- バター(国内製造)
- 卵(国産)
- 卵(愛知県産)
このあたりは、慣れるまで混乱しやすいです。
ですが、順番に考えれば大丈夫です。
まずは、原材料を重さ順に並べる。
一番多い原材料を確認する。
その原材料が生鮮食品なのか、加工原材料なのかを確認する。
使っている材料の表示を確認する。
確認できる内容を、食品表示として正しい形で書く。
この流れで進めていきましょう。
食品表示ラベルは、デザインセンスよりも確認作業が大切です。
「この言葉の方がよく見えそう」ではなく、「この材料は実際にどう表示されているか」を確認して書くことが大切です。
不安な場合は、自己判断で進めず、利用先のシェアキッチンさんや、製造場所を管轄する保健所、必要に応じて専門家に確認してください。
一つずつ確認していけば大丈夫です^^
くじけずいきましょう!
参考図書:食品表示検定 初級テキスト
本題の前に超おすすめ本を紹介させてください!1冊あると本当に便利です!
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原材料名や複合原材料、アレルギー表示など、食品表示ラベルは一人で確認しようとすると不安になりやすい部分です。
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ラベルを添削してほしい方、実際の商品に合わせて確認したい方は、こちらもご覧ください。
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