お菓子を作って、マルシェで販売したり、通販で販売しようと思うと、

「食中毒が起きたらどうしよう…」
「異物混入があったらどうしよう…」
「マルシェでテントが飛んだら?」
「1日だけの出店でも保険は必要なの?」

と、不安になることはありませんか?

もちろん、まず大切なのは、事故を起こさないことです。

  • 保健所の許可がある場所で製造すること。
  • HACCPに沿って衛生管理をすること。
  • 食品表示ラベルを整えること。
  • 保存方法や賞味期限を守ること。

そのうえで、万が一起こってしまった時のために考えておきたいのが、食品ビジネスの保険です。

この記事では、小さなお菓子屋さんや食品ビジネスを始めたい方向けに、PL保険、食中毒・異物混入への備え、マルシェ出店時の保険、1日だけの出店時に確認したいことを整理します。

※保険料や補償内容は、保険会社・代理店・出店内容・販売方法によって変わります。実際に加入を検討する際は、必ず保険会社さんや代理店さん、イベント主催者さんに確認してください。

食品ビジネスで保険は必要?

食品ビジネスの保険は、怖がらせるためのものではありません。

  • お客様に安心して商品を届けるため。
  • 自分自身が安心して販売を続けるため。
  • 万が一の時に、落ち着いて対応できるようにするため。

そのための備えです。

ただし、保険に入っていれば何をしても良い、ということではありません。

まず大切なのは、事故を起こさないための準備です。

保険は、衛生管理や食品表示、保存方法などを整えたうえで、万が一に備えるものとして考えましょう。

食品ビジネスで確認したい保険の種類

小さなお菓子屋さんが確認したい保険は、大きく分けると次の2つです。

1つ目は、作った商品そのものに関する事故に備える保険。
2つ目は、出店場所や設備に関する事故に備える保険です。

PL保険|食中毒・異物混入に備える

PL保険は、生産物賠償責任保険とも呼ばれます。

お菓子販売でいうと、製造・販売したお菓子が原因で、食中毒や異物混入などが起きた場合に備える保険です。

  • 販売したお菓子が原因でお客様が体調を崩した
  • 異物混入によりお客様が口の中をケガした
  • 製造、販売した商品が原因で損害が発生した など

PL保険について詳しく知りたい方は、こちらの記事で確認してください。

▶︎PL保険とは?お菓子販売で入るべき理由
https://startupkitchen-magazine.com/small-patisserie-insurance/

施設賠償|マルシェ出店時のテント・什器事故に備える

マルシェ出店がある場合は、PL保険だけでなく、施設所有管理者賠償責任保険も確認しておきたいところです。

マルシェ出店では、商品そのもの以外にも、テント、什器、看板、会場設備などにまつわる事故が起こる可能性があります。

  • テントが風で舞い上がる
  • 什器が倒れる
  • 看板や棚がお客様に当たる
  • 商業施設の床を汚してしまう
  • ブース周辺の荷物でお客様がつまずく など

このような、出店ブースや設備に関係する事故は、PL保険とは別に考える必要があります。

マルシェ出店時の保険について詳しく知りたい方は、こちらの記事で確認してください。

▶︎マルシェ保険とは?出店時の事故に備える考え方
https://startupkitchen-magazine.com/marche-insurance/

1日だけ出店する場合の保険はどう考える?

「1日だけマルシェに出る場合、PL保険も1日だけ入れるの?」

という疑問を持つ方もいます。

知り合いの保険販売員さんに確認したところ、PL保険は保険期間1年での引き受けとなり、1日や数カ月などの短期契約はできないとのことでした。

レクリエーション保険のように1日だけ備える保険もありますが、あくまで主催者が加入する商品であり、一個人が短期で加入できるPL保険はない、という回答です。

1日だけの出店でも、食品を販売する以上、食中毒や異物混入のリスクはゼロではありません。

短期契約の可否や、出店前に確認したいことは、こちらの記事で詳しく整理しています。

▶︎1日だけ入れるPL保険はある?お菓子販売・マルシェ出店前の確認ポイント
https://startupkitchen-magazine.com/pl-insurance-one-day/

販売方法別に確認したいこと

食品ビジネスの保険は、「何を売るか」だけでなく、「どこで、どのように売るか」によって確認ポイントが変わります。

通販・ネットショップ販売の場合

通販やネットショップ販売の場合は、まずPL保険を確認しておきたいところです。

お客様と直接会わずに商品を届けるため、万が一の時に、

  • いつ製造したか
  • どの原材料を使ったか
  • どの保存方法で販売したか
  • どの賞味期限で販売したか
  • どのお客様に発送したか

を確認できるようにしておくことも大切です。

マルシェ出店の場合

マルシェ出店の場合は、PL保険に加えて、施設賠償の考え方も確認しましょう。

販売したお菓子そのものの事故だけでなく、テント、什器、看板、会場設備などにまつわる事故も考えられます。

また、主催者保険については、もし主催者さんが入ってくださっているなら、それはそれで安心材料のひとつです。

ただし、出店者は出店者で、自衛策として考えることが大切です。

テントの重り、什器の安定、会場ルール、保存方法、食品表示ラベル、温度管理など、自分でコントロールできることを確認しておきましょう。

百貨店など、大きなイベント出店の場合、お菓子屋さん側の保険証券(保険に入っているかどうかの証明書)の提出を求められる場合があります。

委託販売の場合

委託販売の場合も、PL保険の確認はしておきたいところです。

委託販売は、作ったお菓子を他のお店に託して販売していただく方法です。

確認したいのは、

  • 製造者は誰か
  • 販売者は誰か
  • 食品表示ラベルには誰の情報を記載するか
  • 事故が起きた時の連絡手順
  • 委託先の保険で対象になるのか
  • 作り手自身の保険が必要なのか

という点です。

委託先のお店が保険に入っていたとしても、自分が作った商品に関する事故まで対象になるとは限りません。

シェアキッチン利用の場合

シェアキッチンを利用してお菓子を製造する場合は、保険についても確認しておきたいことがあります。

シェアキッチン側で保険に入っている場合もありますが、それが作り手さん自身の販売活動まで対象になるかは別問題です。

  • シェアキッチン側で食の事故に関する保険に入っているか
  • 作り手自身も保険に入る必要があるか
  • 通販、マルシェ、委託販売まで対象になるか
  • 事故が起きた時は誰に連絡するのか
  • 食品表示ラベル上の製造者、製造所の考え方 など

「場所を借りている」ことと「販売者としての責任」は、別で考えておくと安心です。

保険料はいくら?費用の目安

保険料は、保険会社・代理店・出店内容・販売方法によって変わります。

以前、年間100万円程度の売上で、マルシェ出店がある小さなお菓子屋さんを想定して相談した時の一例では、

生産物賠償責任保険(PL保険):年間保険料 1,050円
施設所有管理者賠償責任保険:年間保険料 150円
年間合計:1,200円

という見積もり例がありました。

ただし、こちらは2026年1月末時点で確認した保険料の一例です。2026年2月から最低保険料が年間5,000円程度に変更されているため、現在の保険料・補償内容は必ず保険会社さんや代理店さんに確認してください。

具体的な見積もり例や補償内訳は、PL保険の記事で詳しく整理します。

▶︎PL保険とは?お菓子販売で入るべき理由

保険会社さん・代理店さんに相談する前に整理すること

保険会社さんや代理店さんに相談する前に、自分の販売内容を整理しておくとスムーズです。

たとえば、次の内容をメモしておきましょう。

  • 何を販売するのか
  • どこで製造するのか
  • 保健所の許可がある厨房か
  • 自分の工房か、シェアキッチンか
  • 販売方法は通販、マルシェ、委託販売、店舗販売のどれか
  • 年間売上の見込みはいくらか
  • 月に何回くらい販売するか
  • マルシェ出店はあるか
  • テントや什器を自分で設置するか
  • 冷蔵、冷凍品を扱うか
  • 委託販売先があるか

「お菓子を販売します」だけでなく、

「菓子製造業許可のあるシェアキッチンで焼菓子を作り、月1回マルシェと通販で販売予定です」

というように、製造場所・販売方法・頻度まで伝えると、必要な保険を判断してもらいやすくなります。

まとめ|食品ビジネスの保険は販売方法に合わせて確認しよう

食品ビジネスに必要な保険は、販売方法によって変わります。

通販や委託販売が中心なら、まずPL保険。
マルシェ出店があるなら、PL保険に加えて施設賠償の確認。
1日だけのイベント出店なら、短期契約の可否や主催者保険との違いを確認。

このように、自分の販売方法に合わせて考えることが大切です。

ただし、保険はあくまで「万が一の備え」です。

一番大切なのは、事故を起こさないための準備です。

  • 保健所の許可がある場所で製造する。
  • HACCPに沿って衛生管理をする。
  • 食品表示ラベルを整える。
  • 保存方法や賞味期限を守る。
  • 製造記録や販売記録を残す。

そのうえで、必要な保険を確認しておくことで、安心してお客様に商品を届けることができます。

怖がって止まるのではなく、備えて、安心して一歩進む。

小さなお菓子屋さんを始める時は、保険も販売準備のひとつとして考えていきましょう。

次に読むおすすめ記事

食品ビジネスの保険について、詳しく知りたい内容がある方は、次の記事もあわせてご覧ください。

PL保険とは?お菓子販売で入るべき理由
食中毒や異物混入など、商品そのものの事故に備える保険について解説しています。

マルシェ保険とは?出店時の事故に備える考え方
テント・什器・会場設備など、マルシェ出店時の事故に備える考え方をまとめています。

1日だけ入れるPL保険はある?お菓子販売・マルシェ出店前の確認ポイント
1日だけの出店でPL保険に入れるのか、短期契約の考え方を整理しています。

食品表示ラベルの書き方|お菓子販売初心者向け完全ガイド
販売前に整えておきたい食品表示ラベルの基本を解説しています。

お菓子の販売を始めたい方へ

お菓子販売は、保険だけでなく、製造場所、保健所の許可、食品表示ラベル、保存方法、販売方法など、確認することがたくさんあります。

「自分の場合、どんな保険を確認すればいい?」
「シェアキッチンで作って販売する場合はどう考える?」
「マルシェや通販を始める前に、抜け漏れがないか不安」

そんな方は、ひとりで悩み続ける前に、個別相談で今の状況を整理してみてください。

小さなお菓子屋さんLabでは、小さなお菓子屋さんを始めたい方に向けて、製造場所・保健所相談・食品表示ラベル・販売方法など、販売前に確認したいことを一緒に整理するサポートをしています。

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ABOUT ME
yuko kimura
名古屋で菓子製造/飲食店営業許可付きシェアキッチン"すたーとあっぷきっちん"を営んでます / @startup5kitchen / '88年名古屋生 / 名工大建築卒 / 栄養士 / 一児の母 / 小さなお菓子屋さん始め、やりたいことに一歩踏みだす人を増やしたい!