「材料として使うチーズに乳化剤が入っていたけれど、これもラベルに書かないとダメ?」

「使ったドライフルーツのラベルに漂白剤が書かれていたけど、自分のお菓子にも記載しないといけない?」

お菓子を販売する際、ラベルには使用したすべての添加物を記載することが原則です。しかし、原材料や製造工程を細かく見ていくと、完成した食品には残らないものや、ごく微量しか残らず添加物としての効果を発揮しないものがあります。

食品表示基準では、一般的な添加物の表示免除として、「加工助剤」と「キャリーオーバー」が定められています。

この記事では、これら2つの例外ルールの仕組みと、小さなお菓子屋さんが実務で判断するためのポイントを詳しく解説します。

原則はすべて表示!ただし2つの例外がある

食品添加物は、自分が直接入れたもの(ベーキングパウダーや香料など)だけでなく、使用した市販の加工品(複合原材料)に含まれている添加物も、すべて表示するのが基本ルールです。

しかし、一般的な添加物の表示免除として、次の「加工助剤」と「キャリーオーバー」があります。

①加工助剤(かこうじょざい)

食品の加工工程で使用される添加物のうち、次のようなものを加工助剤といいます。

  • 完成する前に食品から除去されるもの
  • 食品に通常含まれる成分に変化し、その成分量を大きく増加させないもの
  • 完成した食品にごく微量しか残らず、添加物としての効果を発揮しないもの

例えば、みかんの缶詰を製造する際に、薄皮を除去するために使用し、その後中和・除去される塩酸などがあります。

加工助剤に該当する場合は、添加物としての表示を省略できます。

②キャリーオーバー

キャリーオーバーとは、原材料として使用した加工食品に含まれている添加物が、完成した食品には直接使用されておらず、完成品の中では添加物としての効果を発揮しない場合をいいます。

例えば、原材料に含まれていた保存料や酸化防止剤であっても、完成したお菓子の中で保存や酸化防止の効果を発揮している場合は、キャリーオーバーとして省略できません。

その添加物がごく微量かどうかだけでなく、完成した食品の中で効果を発揮しているかを確認する必要があります。

原材料の表示だけでは判断できない場合は、仕入れ先や製造元に、添加物の使用目的やキャリーオーバーに該当するかを確認しましょう。

栄養強化の目的で使用されるものは表示義務に変更

これまで、栄養強化の目的で使用される食品添加物は、表示を省略できる場合がありました。

しかし、2025年3月28日の食品表示基準改正により、栄養強化目的で使用した食品添加物に関する表示免除規定が削除されました。経過措置期間は2030年3月31日までです。

詳しくはこちら▶︎栄養強化目的の食品添加物は表示義務化|2025年改正と経過措置を解説

【補足】「無添加」「不使用」表示に関するガイドライン

2022年に消費者庁が「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。

「無添加」「不使用」と表示する場合は、何を使用していないのかを明確にするだけでなく、加工助剤やキャリーオーバーを含めて添加物の使用状況を確認し、消費者に誤認を与えない表現にする必要があります。

まとめ|「誠実な表示」が信頼につながる

食品添加物は、条件を満たす場合に限り、表示を省略できることがあります。

判断に迷う場合は自己判断で省略せず、原材料の仕入れ先や製造元に確認し、必要に応じて管轄の保健所などへ相談しましょう。

正確な表示を積み重ねることが、お客様の安心とお店への信頼につながります。

食品添加物の表示で迷う方へ

食品添加物の表示は、原材料に含まれている添加物の確認や、使用目的の判断など、迷いやすい部分です。

「この添加物はキャリーオーバーになる?」
「加工助剤として省略しても大丈夫?」
「市販のチョコレートに含まれる添加物は、どう書けばいい?」

という方は、ラベル講座や個別相談をご活用ください。

▶︎ラベル講座のご案内はこちら

▶︎個別相談のご案内はこちら

次に読みたい記事

お菓子を販売したいと思っていても何から始めたら良いかわからない…という方はまずはこちらのメルマガから▼

無料メール講座