乾燥剤と脱酸素剤の違い|焼き菓子の包装に使う鮮度保持剤
「クッキーには乾燥剤を入れればいいの?」
「パウンドケーキには脱酸素剤が必要?」
「乾燥剤と脱酸素剤って、何が違うの?」
焼き菓子を販売する時、意外と迷いやすいのが、乾燥剤や脱酸素剤などの鮮度保持剤です。
どちらも「お菓子を長持ちさせるためのもの」というイメージがあるかもしれません。
しかし、乾燥剤と脱酸素剤は、役割が違います。
乾燥剤は、空気中の湿気を吸収し、お菓子の湿気を防ぐもの。
脱酸素剤は、空気中の酸素を吸収し、酸化や変色、カビの発生や繁殖を抑えるものです。
この記事では、焼き菓子販売で迷いやすい乾燥剤と脱酸素剤の違いと、ガス袋・シーラーとの組み合わせについて整理します。
目次
乾燥剤と脱酸素剤は役割が違う
お菓子の劣化を防ぐためには、温度、水分、酸素などを考える必要があります。
焼き菓子の包装でよく使われる鮮度保持剤には、乾燥剤と脱酸素剤があります。
乾燥剤と脱酸素剤は、どちらも袋の中に入れる小さな資材ですが、働きは同じではありません。
- 乾燥剤は「水分」を吸収するもの。
- 脱酸素剤は「酸素」を吸収するもの。
つまり、湿気を防ぎたいのか、酸素を減らしたいのかによって、選ぶものが変わります。
「なんとなく不安だから入れる」のではなく、自分のお菓子には何が必要なのかを考えて選びましょう。
乾燥剤も脱酸素剤も、大きさや重さによって、水分や酸素を吸える量が決まっています。それぞれの種類とともに、目安の大きさ・重さを確認しましょう!
乾燥剤は、湿気を防ぐためのもの
乾燥剤は、空気中の湿気を吸収し、お菓子の湿気を防ぐためのものです。
粒状のシリカゲル
代表的なものに、粒状のシリカゲルがあります。食品以外にも使われているので、日常生活の中でよく見かけるかなと思います^^

シリカゲルの使用量は、食品重量の1/20〜1/25が目安です。
※使用量やサイズは商品によって異なるため、計算結果は目安とし、購入した商品の説明も確認してください。
板状のシート乾燥剤(シートドライヤー)
また、板状のシート乾燥剤もあります。

食品の重量(g)÷1.5=シートドライヤーの面積(cm²)
※使用量やサイズは商品によって異なるため、計算結果は目安とし、購入した商品の説明も確認してください。
乾燥剤を使う理由
クッキーやサブレなど、サクサク感を保ちたい焼き菓子では、湿気は大敵です。
せっかく焼き上げたお菓子も、湿気を吸うと食感が変わってしまいます。
そのため、サクサクした状態を保ちたいお菓子では、乾燥剤を使うことがあります。
ただし、乾燥剤を入れれば必ず何日も美味しさが保てる、というものではありません。
お菓子の配合、焼き上がりの水分量、袋の種類、保存環境によっても状態は変わります。
まずは自分のお菓子を包装して、数日後の食感を確認してみることが大切です。
乾燥剤の保管方法
乾燥剤が入っている大袋の袋も、使用する必要数を取り出したら、速やかにシーラーで密封しましょう^^
開封後は早めに使い切りましょう。
【重要】石灰乾燥剤の取り扱いに注意
乾燥剤には、シリカゲルのほかに「石灰乾燥剤」と呼ばれるものもあります。
お煎餅や海苔などに入っていることが多いです。

石灰乾燥剤は吸湿力がありますが、取り扱いには注意が必要です。
石灰乾燥剤は、水分と直接触れると発熱することがあります。
そのため、袋が破れて中身が出てしまったり、水に濡れたりしないように注意しましょう。
保管する時は水まわりを避け、廃棄する時も水分の多いものと一緒にしないようにします。
脱酸素剤は、酸素を吸収するためのもの
脱酸素剤は、空気中の酸素を吸収するためのものです。

(袋の容積(cm³)−食品の体積(cm³))×0.21
※ガス袋の中の酸素の量(空気の21%)を計算しています。
※食品の密度を1g/cm³と仮定する場合、食品重量(g)を食品体積(cm³)の目安として計算しています。
※使用量やサイズは商品によって異なるため、計算結果は目安とし、購入した商品の説明も確認してください。
酸素検知剤付きの脱酸素剤
ノーマルな脱酸素剤よりは少しお値段がしますが、酸素検知剤がついた脱酸素剤もあります。


今回紹介している商品では、酸素がある状態は紫色、脱酸素状態になるとピンク色で確認できます。
ガス袋におけるシーラーの密封不良の発見にもつながると思いますし、便利ですよね^^
脱酸素剤を使う理由
脱酸素剤は、油脂やビタミンなどの酸化を抑え、変色やカビの発生・繁殖を抑える目的で使われます。
パウンドケーキ、マドレーヌ、フィナンシェなど、しっとりした焼き菓子に使われることがあります。
脱酸素剤を使う時に大切なのは、袋をしっかり密封し、袋の中の酸素を吸収した状態を保てるようにすることです。
袋そのものが酸素を通しやすかったり、袋の口に隙間があったりすると、外から酸素が入り続けてしまいます。
そうなると、脱酸素剤を入れていても、本来の効果が得られにくくなります。
そのため、脱酸素剤を使う場合は、ガスバリア性のある袋とシーラーをセットで考えましょう。
脱酸素剤の保管方法
脱酸素剤が入っている大袋の袋も、使用する必要数を取り出したら、速やかにシーラーで密封しましょう^^
保管温度や保管場所は商品によって異なります。今回紹介した商品では、15℃以下の冷暗所や冷蔵庫での保管が案内されています。購入した商品の説明に従いましょう。
そして、開封後は早めに使い切りましょう。
鮮度保持剤を使う時は、対応した袋と密封が大切
ガス袋(ガスバリア袋)とは、酸素を通しにくい性質を持つ袋のことです。
乾燥剤や脱酸素剤を使う時は、使いたい鮮度保持剤に対応した袋を選びます。特に脱酸素剤を使う場合は、ガスバリア性のある袋とシーラーでの密封が必要です。
実店舗で購入する場合は、袋の近くに「乾燥剤対応」「脱酸素剤対応」などの表示があることもあります。
ネットで購入する場合も、販売ページに記載されている場合が多いです。
袋を密封するために使うのが、シーラーです。
シーラーは、熱で袋の口を閉じて密封する道具です。
乾燥剤や脱酸素剤は、空気中の水分や酸素を吸収します。
そのため、袋の口がきちんと閉じられていなければ、外から空気が入り続けてしまいます。
ガス袋に入れても、シーラーで正しく圧着しなければ密封できません。
密閉されていないと、乾燥剤や脱酸素剤が吸収する水分や酸素が袋の外から入り続けてしまい、入れている意味が薄くなります。
乾燥剤や脱酸素剤には、サイズによって吸収できる水分や酸素の量が決まっています。
だからこそ、袋、鮮度保持剤、シーラーはセットで考えることが大切です。
私は、クッキー缶のふたを留める時に封緘テープを使っています。ただし、缶の密閉性やお菓子の性質によっては、中袋や乾燥剤なども組み合わせて考えます。
乾燥剤や脱酸素剤は、必ず入れるものではない
乾燥剤や脱酸素剤は、必ず入れなければならないものではありません。
入れるお菓子屋さんもいますし、入れないお菓子屋さんもいます。
たとえば、
- 販売してすぐに食べてもらう前提のお菓子
- 冷凍で保管するお菓子
であれば、入れないという判断もあります。
一方で、常温で日持ちをさせたいお菓子や、通販で発送する場合や、販売できる期間を長めに取りたい場合は、乾燥剤や脱酸素剤が役に立つこともあります。
大切なのは、自分のお菓子の性質と販売方法に合わせて考えることです。
- サクサク感を保ちたいのか
- しっとり感を保ちたいのか
- 常温で販売するのか
- 冷蔵や冷凍で販売するのか
- マルシェでその日に売るのか
- ギフト用としてある程度日持ちしてほしいのか
- 通販でお客様の手元に届くまで時間がかかるのか
こうした条件によって、必要な包装資材は変わります。
賞味期限は、自分が責任を持てる日付で考える
賞味期限は、実際に保存したお菓子の状態を確認し、自分が責任を持てる日付で設定しましょう。
たとえば、3週間品質を保てることを確認したクッキーに対して、
「心配だから、作った日の2日後に設定する」
「3週間持つことを確認できたので、3週間に設定する」
という考え方があります。
シェアキッチンを運営する中で、私はどちらの考え方のお菓子屋さんも見てきました。
ただし、賞味期限が長ければ、その分、販売できる期間も長くなります。
販売方法や届け方も考えながら、包装した状態で実際のお菓子を確認し、自分が根拠を説明できる期限を設定しましょう。
まずは実際に包装して確認する
乾燥剤と脱酸素剤の違いを知ることも大切ですが、最終的には自分のお菓子で試してみることが大切です。
同じ「焼き菓子」でも、配合や焼き時間、水分量、包装方法によって状態は変わります。
まずは少量で試してみましょう。
- 乾燥剤を入れたもの
- 脱酸素剤を入れたもの
- 何も入れないもの
- 袋の種類を変えたもの
数日後に食べ比べてみると、食感や香りの変化がわかりやすくなります。
実際に手を動かすと、できること、できないこと、やりやすいこと、やりにくいことが見えてきます。
包装資材は、頭で考えるだけでなく、実際に試して選んでいきましょう。
まとめ|乾燥剤は湿気、脱酸素剤は酸素を考える
乾燥剤と脱酸素剤は、どちらも焼き菓子の包装に使われる鮮度保持剤ですが、役割が違います。
乾燥剤は、湿気を防ぐためのもの。
脱酸素剤は、酸素を吸収し、酸化や変色、カビの発生や繁殖を抑えるためのものです。
乾燥剤・脱酸素剤ともに、使いたい鮮度保持剤に対応した袋を選びましょう。特に脱酸素剤を使う場合は、ガスバリア性のある袋とシーラーでの密封が必要です。
シーラー漏れは空気の出入りの原因になりますので、しっかりシーラーで密封しましょう。
乾燥剤や脱酸素剤は、必ず入れなければならないものではありません。
お菓子の性質、販売方法、賞味期限の考え方に合わせて選ぶことが大切です。
まずは自分のお菓子で試して、数日後の状態を確認してみましょう。
「乾燥剤と脱酸素剤、どちらを使えばいいんだろう?」
「この袋で販売しても大丈夫かな?」
「包装資材をそろえたけれど、なんだか商品として見えにくい……」
そんな方は、小さなお菓子屋さんLabの個別相談をご活用ください。
お菓子を販売する時は、鮮度保持だけでなく、袋の選び方、食品表示ラベル、シールやタグ、箱やリボンなどの見せ方も大切です。
同じお菓子でも、パッケージの整え方によって、お客様に伝わる印象は大きく変わります。
あなたのお菓子の性質や販売方法に合わせて、包装資材と見せ方を一緒に整理します。
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参考ページ
- cottaさん お菓子にぴったり鮮度保持剤
- シモジマさん 乾燥剤の種類と選び方 サイズの算出方法も解説!
- シモジマさん 脱酸素剤の選び方 乾燥剤との違いやサイズの算出方法も解説!
- シモジマさん 脱酸素剤とは?使い方と効果|食品の長期保存に欠かせない理由
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