菓子製造業許可とは?お菓子販売に必要な営業許可を初心者向けに解説
「お菓子を作って販売したい」と思った時、最初にぶつかりやすい壁が、保健所の営業許可です。
自宅で作ったお菓子を販売しても良いの?
マルシェやネットショップで売るには、何の許可が必要なの?
シェアキッチンを借りれば販売できるの?
初めてだと、わからないことだらけですよね。
お菓子販売に必須の条件は、まず「商品を作る場所に、保健所の営業許可があること」です。この記事では、菓子製造業許可とは何か、どんな販売に関係するのか、どんな製造場所の選択肢があるのかを、初心者さん向けにやさしく整理します。
目次
菓子製造業許可とは?
菓子製造業許可とは、お菓子やパンなどを作って販売するために必要になる、保健所の営業許可のひとつです。
趣味でお菓子を作って、家族や友人に食べてもらうだけなら、もちろん許可は必要ありません。
ですが、作ったお菓子をマルシェで販売したり、ネットショップで通販したり、委託販売先に納品したりする場合は、原則として、保健所の営業許可を受けた場所で作る必要があります。
つまり、お菓子販売を始める時にまず確認したいのは、
「何を売るか」だけではなく、
「どこで作るか」です。
保健所の営業許可は「物件の条件×人の条件」
保健所の営業許可は、ざっくり言うと、
営業許可=物件の条件×人の条件
と考えるとわかりやすいです。
物件の条件
物件の条件とは、製造場所そのものの条件です。
たとえば、
- 生活用のキッチンとは別であること
- 2槽シンク+手洗いがあること
- 床や壁が水拭きできる素材であること
- 衛生的に作業できる構造であること
などが関係します。
ただし、細かい条件は自治体や保健所によって異なります。
菓子製造業やそうざい製造業などの製造業は、もともとは独立した部屋であることが要件とされることが多くありました。
2021年6月の法改正後は、オープンキッチンやカウンターキッチンなどの飲食店間取りでも、時間帯を分けて作業することで菓子製造の許可を取れるようになった、という整理があります。
とはいえ、実際に許可が取れるかどうかは、物件の状態や自治体の判断によります。必ず管轄の保健所に確認しましょう。
人の条件=食品衛生責任者
人の条件として必要になるのが、食品衛生責任者です。
食品衛生責任者は、食品を扱う営業施設ごとに必要になる衛生管理の責任者です。
講習を受けて取得する方法のほか、栄養士・調理師など食に関する資格を持っている場合は、講習が免除されることもあります。
「お菓子を販売したい」と思ったら、製造場所の準備とあわせて、食品衛生責任者についても確認しておくと安心です。
菓子製造業許可でできること
菓子製造業許可は、主にお菓子やパンを作って販売する時に関係します。
- マルシェ出店
- ネットショップ販売
- 委託販売
- 予約販売
- イベント販売
- ケーキ屋さん・パン屋さんのような持ち帰り販売
焼き菓子やパンを作って、包装して販売する場合は、菓子製造業許可が関係しやすいです。
ただし、販売方法や商品内容によって、必要な許可が変わる場合があります。
菓子製造業許可だけでは足りない場合もある
お菓子販売といっても、内容によっては菓子製造業許可だけでは足りないことがあります。
たとえば、
- その場で飲食してもらう
- ドリンクを提供する
- 1dayカフェをする
- 弁当を販売する
- 惣菜を販売する
といった場合は、飲食店営業許可やそうざい製造業許可など、別の許可が関係する可能性があります。
「お菓子だから菓子製造業許可で大丈夫」と自己判断せず、何を作って、どこで、どのように販売するのかを整理して、保健所に確認しましょう。
許可のある製造場所を確保する方法
お菓子販売を始めるには、許可のある製造場所を確保する必要があります。
選択肢としては、主に次のような方法があります。
シェアキッチンを借りる
初めてのお菓子販売で、スモールスタートしやすいのがシェアキッチンです。
シェアキッチンとは、菓子製造業許可や飲食店営業許可などを取得したキッチンを、時間単位や日単位で借りられる場所です。
ただし、保健所には「シェアキッチン」という許可名があるわけではありません。
個人もしくは法人名義で取得した、菓子製造業・飲食店営業など、必要な許可のもとで活動します。
シェアキッチンによって、運営者名義の許可で利用できる場合と、作り手さんが一人一人保健所の許可を取る場合があります。見学時に確認しましょう。
自宅・実家・空き家を改装する
自宅や実家、空き家を改装して、営業用のキッチンを作る方法もあります。
ただし、生活用として使っているキッチンをそのまま営業用にすることは、基本的に難しいです。
自宅で許可を取りたい場合は、生活用のキッチンとは別に、営業用のキッチンを作るイメージになります。
コンテナキッチンを置く
お庭にコンテナやプレハブを置き、その中をキッチンに改装する方法もあります。
コンテナ本体の費用だけでなく、水道・電気・ガス・排水・断熱などの工事も関係します。
自宅の敷地にスペースがある方にとっては選択肢になりますが、建築上の扱いや自治体の確認も必要になるため、保健所や施工会社に相談しながら進めましょう。
物件を借りて改装する
自宅の改装ができない、持ち物件の空き家もない、戸建てではないのでお庭もない、という場合は、外に物件を借りて改装することになります。
この場合は、物件探し、大家さんへの確認、保健所相談、工事業者さん探し、契約、改装という流れになります。
▶︎物件を借りて菓子工房を作る流れ
お友達のお店を借りる
お友達のお店や知り合いの飲食店を借りる、という選択肢もあります。
ただし、営業許可の名義、製造責任、食品表示に記載する製造者、保険、万が一の事故の責任などを曖昧にしたまま始めるのはおすすめしません。
「知り合いだから大丈夫」で進めず、保健所に確認し、誰の許可で、誰の責任で製造販売するのかを整理しておきましょう。
まず最初に考えること
菓子製造業許可について調べ始めると、難しく感じるかもしれません。
ですが、最初から全部を完璧に理解しなくても大丈夫です。
まずは、次の3つを整理してみてください。
- 何を作りたいのか。
- どこで売りたいのか。
- どこで作りたいのか。
たとえば、
「焼き菓子を作って、マルシェとネットショップで販売したい」
「パンを作って、委託販売先に納品したい」
「将来的には1dayカフェもやってみたい」
というように、作るものと販売方法を書き出してみます。
その上で、シェアキッチンを借りるのか、自宅を改装するのか、物件を借りるのかを考えていくと、必要な確認が見えやすくなります。
まとめ|お菓子販売は「どこで作るか」から始まる
菓子製造業許可とは、お菓子やパンを作って販売するために必要になる営業許可のひとつです。
お菓子販売では、まず「保健所の営業許可がある場所で作ること」が大切です。
最初から自分の工房を持たなくても、シェアキッチンを借りる、自宅や空き家を改装する、物件を借りるなど、選択肢はいくつかあります。
まずは、作りたいもの・売りたい方法・作る場所を整理して、管轄の保健所に確認してみましょう^^
お菓子販売を始めたい方へ
シェアキッチンは、小さく販売体験をするための心強い選択肢です。
ただ、実際に始めようとすると、
「自分の商品はシェアキッチンで作れる?」
「菓子製造業許可が必要?」
「通販とマルシェ、どちらから始めたら良い?」
「ラベルや包装、販売ページまで何を準備すれば良い?」
と、考えることがたくさん出てきます。
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