お菓子を作って販売したいと思った時、気になるのが「結局いくらかかるの?」ということではないでしょうか。

菓子製造業許可を取るには、保健所への申請手数料だけでなく、製造場所を用意するための費用がかかります。

シェアキッチンを借りるのか。
自宅や実家を改装するのか。
お庭にコンテナキッチンを置くのか。
物件を借りて菓子工房を作るのか。

選ぶ方法によって、初期費用も毎月の固定費も大きく変わります。

この記事では、菓子製造業許可にかかる費用を、申請手数料・製造場所・改装費・設備費・保険まで、初心者さん向けに整理します。

この記事で分かること
  • 菓子製造業許可にかかる費用の考え方
  • 申請手数料・改装費・設備費・固定費の目安
  • シェアキッチン、自宅改装、物件改装の費用差
  • 費用をかけすぎず小さく始める方法
  • 契約や改装前に確認したい注意点

菓子製造業許可にかかる費用は「申請料だけ」ではない

菓子製造業許可にかかる費用というと、保健所に払う申請手数料をイメージする方が多いかもしれません。

ですが、実際に大きいのは、申請手数料そのものよりも、許可の取れる製造場所を用意する費用です。

お菓子販売に必須の条件は、商品を作る場所に保健所の営業許可があることです。

保健所の営業許可は「物件の条件×人の条件」で考えるとわかりやすく、物件の条件としては2槽シンク+手洗いなどが関係します。

つまり費用は、大きく分けると次のように考えます。

  • 保健所への申請手数料
  • 製造場所を用意する費用
  • シンク・手洗いなどの改装費
  • オーブンや冷蔵庫などの設備費
  • 家賃・光熱費などの固定費
  • 保険や備品などの周辺費用

許可の基本や取得の流れを確認したい方へ

この記事では、菓子製造業許可にかかる「費用」を中心に解説しています。

保健所への申請手数料

まず、保健所に営業許可申請をする時に、申請手数料がかかります。

資料では、申請手数料は14,000円〜20,000円など、保健所・自治体によって多少の金額幅があります。

参考:名古屋市の申請手数料

最初に許可とる時は「新規」。 名古屋だと有効期間6年なので、6年後に払うのは「更新」の金額です。

許可を要する営業及び申請手数料_2

ー引用:名古屋市HP 許可を要する営業及び申請手数料

ーどこからたどり着けるかというと、名古屋市HP>「食品取扱施設 営業許可」ページ下部>「許可を要する営業及び申請手数料」

名古屋市の例では、最初に許可を取る時は「新規」、有効期間後に払うのは「更新」の金額という整理です。

申請手数料は自治体や許可の種類によって変わるため、必ず管轄の保健所で確認しましょう。

製造場所ごとの費用感

菓子製造業許可の費用は、「どこで作るか」によって大きく変わります。

資料では、許可を取る方法として、

  • シェアキッチンを借りる
  • 実家を改装する
  • お庭にコンテナキッチンを置く
  • 物件を借りて改装する
  • お友達のお店を借りる

という選択肢があります。

シェアキッチン・自宅工房・物件改装など、作る場所ごとの違いや選び方を先に整理したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

▶︎お菓子販売の作る場所と設備|シェアキッチン・自宅工房・菓子製造業許可の選び方

シェアキッチンを借りる場合

一番スモールスタートしやすいのが、シェアキッチンを借りる方法です。

費用感はシェアキッチンによりますが、

  • 1時間いくら:1時間500円〜2,000円
  • パック料金:10時間1万円
  • 固定枠:毎週○曜日の利用で月3〜4万円

シェアキッチンは、自分で物件を借りたり改装したりする必要がないため、初期費用を抑えやすい方法です。

ただし、利用料は使うたびにかかります。製造回数が増えてくると、月額利用料が大きくなる場合もあります。

感覚としては、レンタルキッチン代が月3万円を超えてくると、自分の工房を持つことを考える作り手さんが多い印象です。

シェアキッチンから始めたい方へ

初期費用を抑えて始めたい場合は、シェアキッチンを利用する方法もあります。設備や許可の考え方、探し方もあわせて確認しておきましょう。

実家・空き家を改装する場合

実家や空き家を改装する場合は、既存のキッチンにシンクや手洗いを追加するだけで済むケースもあります。

費用感としては、

  • 水回りだけなら15万円〜30万円、50万円程度
  • 建物が古い場合は300〜400万円などの大きな工事になる場合もあります

既存の水回りが使えるか、床や壁の工事が必要かによって、費用は大きく変わります。

自宅や実家の一部を使いたい場合は、生活用キッチンとの分け方や、自宅で菓子製造業許可を取る時の注意点も確認しておきましょう。

▶︎自宅で菓子製造業許可は取れる?自宅キッチン販売の現実と注意点

コンテナキッチンを置く場合

お庭にコンテナキッチンを置く場合は、コンテナ本体に加えて、水道・電気・ガス・排水などの工事が必要になります。

資料では、コンテナ本体が50〜60万円、全体として150万円〜200万円超という費用感です。

雪国エリアでは断熱材などが必要になり、200万円を超えることもあります。

設置場所付近に電線などがあり、コンテナ自体の設置が難しい例もあります。

まずはコンテナ屋さんに相談しましょう。

物件を借りて改装する場合

物件を借りて菓子工房を作る場合は、改装費だけでなく、物件取得費や毎月の家賃・光熱費もかかります。

すたーとあっぷきっちん中の人の事例では、大家さんがいつもお願いしている施工業者に依頼して、物件取得費+改装費で100万円ほどでした。

一方で、別のリノベーション会社に聞いたところ、期間は半年、費用は300〜400万円くらいと回答された記録もあります^^;

同じ「物件を借りて改装」でも、依頼先や工事内容によって金額は大きく変わります。

物件を借りて菓子工房を作る場合は、物件探し・保健所相談・改装工事の流れも確認しておくと安心です。

▶︎物件を借りて菓子工房を作る流れ|物件探し・保健所相談・改装まで

設備費も忘れずに考える

菓子工房を作る時は、保健所の許可に必要な設備だけでなく、実際にお菓子を作るための設備も必要です。

たとえば、

  • シンク・手洗い
  • オーブン
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 作業台
  • 棚・保管スペース
  • ハンドミキサー
  • シーラー
  • 温度計・はかり
  • 包装資材
  • 掃除道具

などです。

ここは、最初から全部を完璧に揃えようとすると費用が大きくなります。

まずは許可取得と最低限の製造に必要なものを揃え、販売しながら少しずつ買い足す考え方がおすすめです。

厨房機器は新品?中古?

いろいろなお菓子屋さんのお話を聞くと、意見が分かれる部分だな〜と感じています。

個人的には、
シェアキッチンで、自分以外の方々も使う環境なので、
「壊れても泣かないもの」と言いますか、基本的には中古で揃えています^^

(一回、ガスオーブンを買い替えた時は急ぎだったので新品をポチッとネットで購入しました)

オーブン・冷蔵庫・シンク・作業台など、菓子工房に必要な設備の全体像はこちらの記事でまとめています。

▶︎お菓子販売に必要な設備一覧|オーブン・冷蔵庫・シンク・作業台まで

毎月かかる固定費も確認する

初期費用だけでなく、毎月かかる固定費も大切です。

物件を借りる場合は、

  • 家賃+消費税
  • 水道
  • 電気代
  • ガス代
  • +インターネット代?

などが毎月かかります。

シェアキッチンなら、使った時間分・月額利用分の費用。
自宅や空き家なら、光熱費。
コンテナキッチンなら、光熱費や設備維持費。
物件を借りるなら、家賃・共益費・光熱費。

初期費用だけでなく、「売上がない月でも払うお金」を確認しておきましょう。

保険や周辺費用も見ておく

お菓子を販売する場合、万が一の食中毒や異物混入などに備えて、PL保険などの食の保険も検討したいところです。

そのほか、食品表示ラベル、包装資材、販売ページ、ショップカード、チラシ、写真撮影、マルシェ出店料なども、販売を始めると必要になる場合があります。

いくらあれば始められる?

かなりざっくりですが、最初の目安は次のように考えるとわかりやすいです。

  • シェアキッチンで始めるなら、数万円〜。
  • 空き家や実家の水回りだけなら、15万円〜50万円程度。
  • コンテナキッチンなら、150万円〜200万円超。
  • 物件を借りて改装するなら、改装費100万円〜+家賃光熱費。
  • 居抜き物件なら、敷金礼金・保証金などまとまった費用が必要。

ただし、これはあくまで目安です。地域、物件の状態、工事内容、自治体の判断によって大きく変わります。

大切なのは、「菓子製造業許可そのものの費用」だけでなく、「許可を取れる場所を用意する費用」として考えることです。

実際にどの設備が必要になるかは、物件の状態や保健所の確認によって変わります。物件契約や改装前に、キッチン条件も確認しておきましょう。

▶︎保健所に通るキッチン条件とは?設備チェックリスト

まとめ|費用は「どこで作るか」で大きく変わる

菓子製造業許可にかかる費用は、申請手数料だけではありません。

大きく変わるのは、許可のある製造場所をどう用意するかです。

  • 初期費用を抑えるなら、シェアキッチン。
  • 自宅や空き家が使えるなら、改装。
  • 敷地があるなら、コンテナキッチン。
  • 自由に使える場所を持ちたいなら、物件を借りて改装。

どの方法にもメリット・デメリットがあります。

まずは、作りたいお菓子、販売方法、製造頻度、使える予算を整理して、自分に合う始め方を考えてみましょう。

費用を考える前に、あわせて確認したい記事

お菓子の販売を始めたい方へ

菓子製造業許可を取りたいけれど、

「いくら準備すればいいかわからない」
「シェアキッチンと工房、どちらが良いか迷っている」
「物件を借りる前に費用感を整理したい」

という方へ。

すたーとあっぷきっちんでは、小さなお菓子屋さんを始めたい方に向けて、製造場所・許可・販売方法・費用感を一緒に整理するサポートをしています。

ひとりで契約や改装を進める前に、まずは今の状況と選択肢を整理してみましょう。

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